第10話 魔法師の仕事



 セイがシスターに魔法を教えてもらい1ヶ月がたった。

 サラもシスターに教えてもらい、今ではセイと一緒に毎日座禅を組みながら魔素の浸透率を上げつつ魔力を動かそうとしていた


「(ん~全く動かん、前世で読んだ漫画には、血液と同じように血管みたいなのをイメージするといいってあったけど、違うみたいだし)」


「(よく魔法師は動かせるもんだなコツとかあるのか?)」


「ねぇ、シスター」


「なに、セイ」


「町に魔法師っているの?」


「いるわよ1人だけ」


「ん?何で1人なの?」


「セイ知らないの?」


「サラは、知ってるの?」


「うん!シスターから聞いたことがあるの」


「なら教えて!」


「いいよ!魔法師はね」


「うん」


「魔物がでたときに町や村を守るためにいるの!」


「へぇ~なら何で1人なの?」


「それは…えーとっシスター教えてあげて」


「ふふ、いいわよ」


「魔法師は若いうちは魔物の土地に行き魔物を倒してお金を稼ぐの」


「?そのお金はどこから?」


「それは国からよ、魔物を倒してその毛皮や牙内蔵までに色々な使い道があるの、その毛皮や牙を国が買い取り、鍛冶師や錬金術師に売って儲けを出すの」


「…つまり国は仲介役をしてるんだね」


「そうよ」


「なら魔法師が直接鍛冶師とかにうったら?」


「それは違法なの」


「何で?」


「もし魔法師と鍛冶師達が揉めた時、鍛冶師達が力で脅されてしまうから、だから国が間に立って揉めないようにしてるの」


「そうなんだ、じゃ剣士とかは何をしてるの?」


「剣士達は、魔法は使えないけど、魔素のお陰で体は丈夫だから5~6人で魔物の土地に行っているわ」


「じゃぁ魔法師も何人かで行ってるの?」


「そういう人達もいるけど半分ぐらいは1人で行くわね」


「何で1人で行くの?」


「良く言えば1人で戦えるからかな」


「じゃぁ悪くいえば?」


「プライドが高いからかな」


「????」


「ふふ、わからないのも無理ないわ

 魔法師はなれるだけでもすごいことなの」


「「うん、それは聞いた」」


「だから自分は、すごい選ばた人間って思ってる人がかなりいるの」


「え~でも1人じゃ死んじゃわない?」


「(サラの言う通り死ぬ人も多いだろ)」


「そうよ、でも自分は選ばた人間だから死なないって思ってるみたい」


「「カイみたいだね!」」


「「「……アッハハハッ」」」


「はぁ~笑いすぎてお腹痛い」


「それよりシスター町にいる魔法師の話だよ」


「あぁそうだったわね」


「町に魔法師がいるのは珍しいことなの」


「?どうして?」


「それはね魔法師は王都や大きな街に多くいるの」


「???」


「魔法師達は魔物が人々の土地に入ってきた時すぐ対応しなくちゃいけないの」


「だから領主様や王様がお金を出して自分の町に住んでもらうの」


「それって…」


「そうね駄目なことだけど、皆自分の領地を守りたいのよ」


「じゃぁ、この町にいる魔法師は?」


「この町の魔法師は元々この町の生まれなの、だから引退した後この町には戻ってきたの」


「へぇ~なら魔力を動かすコツ聞きたいな」


「そうね今度、お願いしてみましょうか」


「「やったー!」」




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