第9話 初めての魔法
カイが亡くなってから
最初の1ヶ月はシスターとサラはかなり悲しんだが今ではその素振りを見せず
セイに魔法を教えている
~セイ~
「いいセイ、魔法は奇跡であり願いを叶える力があるの」
「だから少しでも間違った使い方をすれば人を傷付けてしまう」
「…うん、分かってる」
「本当に危ない時しか人に向けて魔法を使っちゃだめよ」
「分かった、約束する」
「なら始めましょうか」
「セイは既に魔素の浸透率が高いから」
「最初はゆっくり魔力を手からお腹に集めて」
「うん…」
「いいゆっくり丁寧に」
「うん…(いや動かないんだけど)」
「魔素が体に溜まり魔力に変わるのは時間がかかるの」
「だから魔素を魔力に変えるのを早めるために魔力をコントロールしてより早く変換しなくちゃいけない」
「普通、セイの年頃は浸透率が魔力を感じられる所まではいかないの」
「サラですらようやく感じ取れるようになったのよ」
「それでもかなり早い方なの」
「(まぁサラはよくに座禅を一緒にしてたからな)」
「魔素は全身に魔力を満たす」
「その魔力を動かし集め全身に自由に行き渡らせる」
「そうすることで体はより魔力を溜めることができる体になる」
「(いやまず魔力を動かすのが無理)ねぇシスター?」
「なに?」
「魔力が全く動かないだけど」
「ふふ、それはそうよ」
「???」
「その動かない魔力を動かせるようになれば魔法師になれるの」
「つまりほとんどの人が動かせないの」
「えっ…でもシスターよく暖炉の火つけてる」
「それはね魔力を動かさなくても小さな火なら出せるの」
「どうゆうこと?」
「魔法は想像力って前に言ったでしょう?」
「うんだから想像力次第で結果が変わるって」
「そうよ魔力は想像で物事を動かすの
だから魔力を動かさなくても火をつけるぐらいの事はできるの」
「だからセイ、より強い魔法を使うにはどうすればいい?」
「…魔力を集めて強く想像すること」
「そうよ、だからまず魔力を動かすことを覚えるの」
「分かった頑張ってみる」
「ふふ、いい子ね
まぁ2年で出来たら優秀よ」ナデナデ
「(!!…2年でってどんだけ時間かかるんだ!)」
「ねぇシスター」
「普通は動かすのにどれだけかかるの?」
「そうね、2年で天才、5年で秀才、10年で普通かな」
「えっ…10年…」
「そうよ、10年かかるの
まず魔素の浸透率が魔力を感じ取れるようになるまでに約10年
そこから魔力を動かすことができるようになるまで約10年よ」
「それって…20歳にならない?」
「そう20歳になるまでに魔法師になれるのは本当に極稀なの」
「でも…ほとんどの人は魔力を動かせないって」
「そうよ、だから皆、早めに諦めて剣や槍を学ぶの」
「それも上手くできなかったら?」
「商人や鍛冶師、他にも農家や料理人」
「皆自分にあった仕事を探すの」
「…なら俺も」
「セイは大丈夫よ!」
「何で?」
「だって4歳でそこまでの浸透率を持つなら必ず動かせるわ!」
「…うん、頑張ってみる」
「それにサラにもそろそろ教えてあげないとね」
「サラに?」
「そうよ、サラも、もう16歳ぐらいの浸透率だもの」
「だからそろそろなの」
「シスターよく知ってるね」
「まぁね私は皆のお母さんだからね!」
「(なるほどね、そのためにいつも夜遅くまで本読んでたのか)」
「シスターはいい母親だね」
「ぁ゙り゙がどぅ゙~」ガシ
その後セイは号泣したシスターに2時間のあいだ抱き締められ続け友達と遊びに行っていたサラが帰って来たおかげで解放された
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