第15話 卒業式
◆◆◆
ついに卒業の日が来た
「ユリア、おはよう」
と横でぐっすり寝ているユリアを起こす。
「ん、んおはよ、う」
と目をこすりながら返事をするユリアがかわいすぎる。
そして濃厚なキスを交わしてからルーカスはついに前々から秘めていたことを伝えた。
「ユリア、ついに今日卒業なんだ。卒業式が終わったら俺と結婚して欲しい。」
びっくりして一瞬放心状態になったが少し落ち着いて
「私でよければお願いします」
と嬉し泣きしながら答えた。
しかしユリアは不安だった。それはルーカスと結婚するということは皇太子妃になるということ。ユリアは自国を追放された身であり、どこへ行っても歓迎されないと思っていた。そのせいで外へ出たら殺されるのではないか、殺されなくても周りの目がとても怖い。
だが、一番近くでルーカスを支えていきたいし、私以外の人がルーカスのそばにいるなんて考えたくもない、、と考えているうちにユリアの顔はどんどん曇って行った。
それに気づいたルーカスは
「ユリアどうしたの?不安なことがあるなら言って」と優しく声をかけてくれた。
ルーカスにはなんでもお見通しみたいだ。勇気を振り絞って伝えた。
「ルーカスのことは本当に愛してる。正直私以外がルーカスのそばにあるなんて考えたくもないの。だけど、私は自国でさえ見捨てられた身、噂はそっちの国にもいってるだろうし。ルーカスの友達にでさえ嫌われてるし、私じゃ釣り合わない、」
「そんなの関係ない。ユリアがいいんだ。ユリアじゃないとだめなんだ。」
「で、でも」
「俺独占欲強いからさ、ユリアが外に出て、周りの奴らの視界に入るだけで嫌なんだ。だから婚姻したという事実だけ発表しようと思ってる。」
「なんだか鳥籠の中みたいね」
「だめ?」
「ううん、嬉しい。私もね、外は出るのが怖くて。ルーカスだけがいればいい」
「一生俺の鳥籠の中にいてね。愛しのお姫様」
そして卒業式が終わった後ルーカスはすぐに屋敷に帰り、ユリアを自国へ連れ帰ってしまった。
断罪されて平民になりましたが、知らぬ間に貿易国のヤンデレ王子の手の中にいました。 @yonetuki
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