第2話 不可思議な世界

「UMAかー。どんな味がするんだろ?美味しいのかな?お肉沢山取れるかな?これは現地民に話を聞く必要がありそうだ!少しトラップを作れば簡単に引っかかるかな?」


僕は超簡易的なトラップぐらいなら速攻で作れる。まぁ、武器無しの状態で野生動物から逃げるための苦肉の策でしかないが通じる事を祈ろう。どこにでも生えてる蔓とその辺に落ちてる木の枝と石を使って吊り上げ式のトラップを作る。大したダメージにならないだろうが動きを止められるかも知れない。


「念には念を入れて視認できる距離にいるUMAの倍は作ったけど作動するかな。蔓もスピード重視で適当に編んだだけだし耐久力が足りるかどうか。」


僕はトラップの準備を終えると落ちてる小石をUMAにぶつけてこっちに敵意を向けさせる。小石で頭を小突かれたUMAは面白いぐらいこっちに敵意を向けて猪のように何も考えず突撃して来た。


「ちょっ、服を着て武器や防具を装備する知能はあるのに無計画なのは想定外。こんなのが地球外から来たとなると文明とかには期待出来ないな。てっきりUMAの文明は旧人類の旧文明以上に栄えてると思ったんだけどなぁ。いやまぁこのUMAがUMAのペットって可能性も微レ存だし少しは期待しても良いかもだけど。」


そんなことを言っているとUMAは全員トラップに引っかかり逆さ吊りになった。


「いやー、圧巻圧巻。UMAの話も聞きたいけど複数人でタコ殴りされたら死んじゃうし1人残して殺すか。どうせUMAなんだから殺しても問題はない。肉の味気になるし。」


僕は逆さ吊りにされているUMAの首に蔓の縄を掛けて木に登り絞め殺す。UMAは海老反りの形になってしばらくすると動かなくなった。


「ふう、一件落着。もう死んじゃったんだしその武器要らないよね。UMAの武器ゲットだぜ!!」


UMAが使ってた武器はサーベルのような見た目の何かだった。


「異界の武器って言えば価値が出るかな?脆そうで使い物になりそうに無い様に見えるけど。UMAの文明ってそんなに発展してないのかな?少なくとも鉱物製の装備を作る技術はありそうなんだけど…。」


UMAの話を聞こうとしたら気持ち悪い髪型が話しかけて来た。


「蜉ゥ縺代※縺上l縺ヲ縺ゅj縺後→縺?#縺悶>縺セ縺吶o」


「うーん、所々音としては聞き取れるんだけど言語体系が違い過ぎてほとんど聞き取れない。こんな事ってあるのかな。ほとんど雑音なんだけど、マジで何言ってるか分かんない。」


残念なことに僕は同胞の間で使われている言語しか知らない。

同胞の間で使われている言語は旧時代から変わっておらず日本語と呼ばれていたらしいので日本語と呼称している。

見た目的に同胞の近縁種だとは思うんだけど。


「縺ェ繧薙→縺顔、シ繧定ィ?縺」縺ヲ濶ッ縺?°」


「うん、何言ってるかさっぱりわからない。と言うか上から落ちて来たとなると上には道があるのか。馬を使ってる所を見るにちょっとは余裕がある国なのか?」


僕は同胞以外の世界を知らないから外に国があることは知っていてもどの程度文明が進んでいるのかも見当がつかない。

そもそも最近まで海は永遠に続いていると思ってたし…。


「謇?縺ァ縺薙%縺ッ菴募?縺ァ縺吶°」


「だから何言ってるの…。」


次の瞬間猛烈に嫌な予感がしたので反射的に横に飛んだ。狩人の勘って奴だ。


「えぇー、次は明らかにヤバいじゃん。中世の騎士っぽい格好の奴が明らかに斬れるサーベル持って襲いかかって来たんだけど。なんで敵対されてるの?」


「谺。縺ッ螟悶&繧」


「自然より恐ろしいのは人災か。鎧でガチガチにガードしてるし、鉄の重さ的に即興のトラップじゃ耐久力が足りないかな。でも、それ重いでしょ。こー言う時は逃げる一択!!」


外の国では同胞同士の殺し合いが普通な蛮国が多いと聞いてはいたがここまでとは思ってなかった。


「蠕?▲縺ヲ」


「逃げるんだよォ!」


幸いにはここは木の中森の中。まぁ、山かも知れないけど。機動力が違う。鎧は走ることを想定された作りはしていない。変なコスプレをしてることが仇となったな!!

そんなことを思いながら僕は全速力で逃げ出した。

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