アイデアNo.015 ゲームの村人:あらすじ

 勇者は村人に訊いた。


「ドラゴンが棲むという山はどこですか」


「ああ、それなら……」


 説明を聞いて去ってゆく背中を見送りながら、村人は既視感に襲われていた。

 

 あの背中を、何度も何度も見送ってきたような気がするのだ。

 

 しかし村人は、こんなことはよくあるさ、と自分に言い聞かせ日々の生活に戻っていった。

 

 やがて、村人は結婚した。

 近くに住む、気だての良い娘と恋に落ち、結ばれたのだ。

 

 そして、いよいよ初夜を迎え――。





「ドラゴンが棲むという山はどこですか?」


「ああ、それなら……」

 

 去っていく勇者の背中。それを見て、村人は何か、とても大切なことを掌からこぼしたような気になった。


「僕は――何度も同じことを繰り返している?」

 

 唐突に出た自らの言葉に村人は驚いた。

 今のは、自分が言った言葉なのか。どうしてそう思ったのかはわからない。


 けれど、そう考えてみれば何もかもがしっくりきた。

 あの背中も、そしてこのどうしようもない後悔にも、説明がつく気がした。

 

 その時、いつか耳にした声が頭のなかに響いた。


「ほう、まさか役割を超えるものが現れるとはな」 




▽▼▽▼▽▼▽



 間違いない。

 確実に乙女ゲームがどうのとか、オンラインゲームがどうしたというアニメの影響ですね。


 今見ても微妙。

 NPCキャラクターが自我に目覚める設定の作品は今なら山ほどあるでしょう。たぶん。

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