読んですぐに魅了されるその凛とした文体と、丁寧で綺麗な情景描写のおかげで舞台背景を先入観なく受け入れさせてくれます。
登場するキャラクターも個性が強く魅力的で、それを人間味のある感情表現がより印象的に個々を引き立ててくれていて、ついつい感情移入してしまいました。
凄惨な場面でも、その文体が恐怖よりも美しささえ見せてくれていて、目を背ける事無く話に夢中になれます。
所々に散りばめられた伏線も無理やり回収するような流れは無く、話に添って少しづつ回収されていて、プロットがしっかりと構成されてるのを感じさせてくれます。
ストーリーのすべてが魅力的ですので、是非ご一読頂きたいと思います!
魅力的な登場人物たちが動き回るのは、丁寧な表現と緻密な設定が感じられる素敵なファンタジー世界。
主題は記憶喪失の令嬢と、ある騎士様の恋愛かもしれませんが、それだけに留まることがないキャラクター同士の関係性や性格も素晴らしいです。
友情や主従という言葉で表すのは惜しい気がするほどに尊い関係性がこの作品には詰まっていると感じました。
また、美しく尊い世界の中に姿をひそめている不穏な要素にも目が離せません。
人物が持っている記憶喪失や〇〇〇などの何か暗いわけがありそうな不安要素。
読み進める内に高まる皆の幸せを望む気持ちに影がかかるような感覚にとても心が惹きつけられました。
物語の展開も非常にドラマチックでミステリアスです。
穏やかながらも謎の令嬢と出会うことで動き出したように感じられる物語。
それと世界に訪れる異変は関係しているのか。
キャラクター同士の関係性を楽しむだけでなく、重厚なファンタジー世界にどっぷりと浸かることが出来ます。
一度読み始めると作品に没入し、虜になっていること間違いなしです。
現在、第一章と間話を公開済みということですが続きが楽しみです。
間話といえば、これまでのストーリーを深めるような最高の体験が……
素晴らしい作品をありがとうございました。