第五十七話 帰り道にて...

─ユリは、死んだミアをおぶって帰っていた...

ユリ「早く...帰らなければ...ゴフッ...死んでしまうかもな...あは...」

(このまま倒れたら、誰にも見つけてもらえないかもな...)

そう思って、歩き続けた

そしてどうにか森までは着いた

でも、ここで休憩をしている盗賊の下っ端達に出くわしてしまった

(うわ...今戦えないよ...)

盗賊達は少し驚きながらも、ナイフを構えてこう言ってきた

盗賊1「お嬢ちゃん、何やら大変そうだねぇ、金品だけ置いてってもらおうか...」

盗賊2「抵抗はしないほうが良いよ...!」

金品か...狙う物からしてやはり下っ端だな...

ユリ「何もない...時間がないんだ...どいてくれ...」

盗賊2「いやいや、ただじゃ通さんよ、その背中に背負ってるものを見せてみろよ!」

ミアを荷物だと思っているのか...!と怒りで震えながらも

ユリ「ほら...」

おぶっていたミアを見せた

その瞬間盗賊達は震えた

盗賊1「お、おう...本当に急いでいるんだな...ほら、はよ行きな...」

盗賊2(なんだこの人...なぜそんな子を...!)

ユリ(なんか意外とどうにかなった...)

そしてまた森を歩き始めると、ルミを見つけた

ルミはユキに乗っていた

ルミ「...あ、あの時ちらっと見えた人だ...」

ユリ「もしかして、あの館に居たのか...?(あとなんでユキに乗っているんだ...)」

ルミ「どこに向かっているの...」

ユリ「家までさ...」

ルミ「それならこの子に乗って行こうよ、家まで連れてってくれるらしい...」

ユリ(よかった...)

そうして家へ着くと、ユウ達が駆け込んできた

ユウ「ユリ!どこへ行ってたのよ!心配してたのよ!」

サン「それに...その傷はなんだ!」

カイ「全く...死の気配がして心配だったんだぞ...」

エル「とりあえず治療だ、ユウ!癒しの願いをかけてくれ!あと止血も!」

ユウ「は、はい!」

ユリ「いやー...町のほうで問題があってな...あはは...」

カイ「町のほう?」

ユリは前回あったことを全部話した

カイ「なんだと...私の故郷でもあるあの町が...だと...!?」

ユウ「それは大変だったでしょう...よく戻ってきました...」

ユリ「でも...ミアが...!」

ユリがミアを見せる

エル「これはひどい...ポルサネアイツ今いねぇし...」

サン「なんてことだ...こんな無残に...」

ユウ「とりあえず、癒しの祈りで回復はさせておきましたが...ミアは目覚めなさそうです...」

カイ「とりあえず、奴はずっと苦しむようにしたということなんだな...」

ユリ「...そうよ...!あんな奴は...苦しんでいたほうが良い...!」

エル「とりあえず、無事でよかった...今は休んでおきな...」

ユリ(そーいや、魔女たちがいないような...)

サン「魔女たちなら町へ買い物へ行くって言ってたよ」

ユリ「そっか...あはは...」

ユリ(私も買い物してみたかったな...)

─ひとまずユリは無事に帰ってきた、でも傷が深かったようだ...

癒しの願いを使っても、完全復活には時間がかかるだろう...

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