第五十八話 哀愁の漂う人

─買い物を終えた魔女達は、家へ帰ろうとしていた

ルイはノアの箒に乗って帰っていた

ルイ「風が気持ちいいな!」

ノア「そうだね!」

ルイ「私も自由に飛んでみたいよ...」

ノア「ところで、あの町でルイは何買ったの?」

ルイ「サバイバルナイフとか、麻縄とか、色々よ」

ノア「すごいバッグパンパンじゃん...」

ルイ「何があってもいいように備えなきゃね!」

ノア(備えすぎじゃないかな...)

その時、近くで焚き火をしている人が見えた

ノア「こんな森の中で旅する人っているんだね!」

ルイ(いや、アイツポルサネがいるだろう...)

ノア「見てみようよ!」

ルイ「まぁ、なんもなければいいけどな...」

二人は箒から降りて、その人に近づいた

「おや...こんな所で人に会うとはね...極めて珍しい...」

ノア「ここで何してるの?」

「一人旅さ...俺は旅する仲間がいなくてね...」

その人は、とても寂しそうに言う

ルイ「仲間を作ろうとはしたのか?」

「作ったさ...でも...もういなくなっちまった...」

聞けば、過去に一緒にいた仲間は、自分以外みんな凶悪なモンスターに殺されてしまったらしい...

「とても悔しかった...悲しかった...俺は...何もできなかったんだ...」

ノア「可哀想...」

ルイ(ポルサネと違って、悲惨なことが多いんだな...)

「お前らとも、仲間になりたいが...また悲惨な目には会いたくねぇ...」

ノア「仲間になりたいなら、うってつけの人がいるよ!」

ルイ「あぁ、死んでもほぼ問題ない人がね!」

「...本当かい...とてもありがたい...」

ルイ「箒に3人も乗れるか...?」

ノア「スペースはぎりぎりあるよ!」

「それなら準備しなきゃな...」

その人は荷物を準備し始めた

ノア(この人のリュックも大きいな...乗るかな...)

「よしできた、じゃあその人のところへ連れてってくれ...」

ノア「はーい!」

ルイ「それじゃ、これを使おう!」

ルイはバッグからレーダーを出した

ルイ「これは指定した人を表示する凄いレーダーだよ!」

ノア「これ買ったの!?すごく高いはずなのに...」

ルイ「まあ、お金はいっぱいあるからね!」

「なんだかすごいな...それ...」

ノア「じゃあ行こう!」

ピチューン!

3人「...え?」

ノア「凄い音が聞こえてきたよね...?」

ルイ「多分、アイツらポルサネ達の中の誰かがやったんだろう...」

「なんだか不安だよ...ついてきたのは俺だけどさ...」

(何事もありませんように...)

─ノア達は、ポルサネの元へ行くのだった...

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