第五十二話 狂気のその先

───────ユリ視点───────

ユリ「あはは...お前を許さんぞぉ...!」

「立ち向かおうとするだけすごいと思うよ...!さぁ死ぬがいい...!」

奴が突っ込んでくる

「オラァァ!」

そして凄まじい速度で袈裟切りを仕掛けてきた

ユリ「ぐぅぅぅ...!」

私は必死でガードする

そしてカウンター!

ユリ「えいやー!」

「ふん...」

当たらないか...

そのまま近接戦となる

ユリ「そりゃそりゃぁぁ!」

ユリが斬撃を素早く連続で繰り出す

「見える...見える...!全部見える...!」

奴は全部回避している

ユリ「うりゃりゃぁぁ!(...何者なの...)」

怒涛の斬撃を見せても、奴にかすりもしなかった

「全部見えてつまらない...」

次の刹那、奴はユリの胴を斬り裂いた

ユリ「グゥ...!(...見えなかった...)」

「もう諦めたらどうだい?君では相手にならない、それに...君の負ける未来を知っているんだ...」

予知...能力か...どおりで当たらないわけだ

奴は邪悪な顔でこちらを見る

「地獄であの子に会えるんだから、いいじゃないか...」

ユリ「いや...よくない...」

地獄で再会なんかしたくない...!それに...

ユリ「お前には理解できないんだろう...」

そのとき、ユリから表情が消えた...

ユリ「ミアの大切さを...私の狂気性を抑えてくれたミアの大切さを...!」

ユリを黒い靄が覆い始める

「...!?(いったいなんだそれは...予知していたものとは違う...!)」

本当は使いたくなかった...でもこの際どうでもいい...!

ユリ「Twin hooks of abyss虚無の双鉤...」

ユリの白かった髪が黒くなっていく...

「なっ...(なんだこの闇は...)」

それと同時に闇が奴を包む

ユリ「あなたのせいで黒くなってしまった...身も心も...だから...闇に飲まれて狂ってしまえ...!」

「なんだ...お前は何を言っている...(どこからだ...暗くて見えねぇ...!)」

ユリ「あなたをどうしてやろうか...」

グシャァ!

「...え...ぎゃぁぁぁぁぁ!」

気がつくと、奴は膝を斬られていた

「ボクの膝が...ボクの膝がぁ...」

ユリ「膝を斬られただけで、何を喚いているんだ...」

ガッ!

「う、腕がぁぁぁ!」

腕を切り離して、もう何もできないようにする

ユリ「ミアはあなたに無残に殺されたんだ...それ以上の苦痛を味わって死ね..!」

ユリが闇を濃くする

「やめろ...何をする気だ...!」

奴は恐怖で震えている

ユリ「ユリの花言葉は色によって違うんだ...意味が...」

「なんだそれは...(急になんだ...)」

ユリ「今の私で表すならね...呪い..だよ...!」

奴はそれを聞いて顔が青ざめていく

「まさか...嫌だ...死にたくない!やめてくれ!許してくれ!」

ユリ「お前を許すわけが...ないだろう...」

グイィ...!

ユリは、奴の両目に指を突き刺した

「ぐぁぁぁ!」

そしてこう言った

ユリ「地獄なんて生ぬるいからさ...無尽の呪縛崩壊の呪いで苦しんでね...」

「そんな...そんな...あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

奴が苦しみに悶えていたが、もう関係ない

町の人を...ってすでに運ばれてしまったか....

ミアを連れて、この町の人を取り返しに行って、ポルサネに復活させてもらおう...

そう思って、ミアを抱える

胴の傷が深いが...まだ歩ける...行こう...

─まだ待っててねミア...絶対に...一緒に居ようって決めたんだから...!

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