第五十一話 少女の町の思い出
───────ユリ視点───────
ミアをまた守れなかった...
なんで...こんな不幸がまた来るの...
私は...幸せでいたいだけなのに...
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ユリは、元々親を知らない
気がついたら、一人だったんだ
約2年後、大人たちがこの町へ私を捨てた
昔はこの町はガラクタばかりの町と言われていた
私はこのまま死ぬんかな...
そう思っていたが、女の人が私を抱え上げ、こう言ったのだ
「今日から私が母よ!」
その女の人は、空色の髪のシスターだった
私はとても温かい優しさを感じた
「今日からここが新しいお家だからね!」
大きい家で一緒に暮らすようになった(親子として、一緒に生活を送った)
生活する中で、いろんなことを知ることはできた
でも...問題があった
それは...感情を一部しか理解してないということだ...
喜びや楽しいといった感情はわかったのに、それ以外は分からなかった...
ユリ「あははは!トントントン!」
子供「痛い~!うぅ~!」
だからか、自分の気に入らないものにはすべて力でねじ伏せていた
「だめですよ、そんなことをしては」
ユリ「あははは!なんで?」
「相手が痛いって言ってるでしょ?」
ユリ「あはは!これ楽しいんだよ!」
「あなたが楽しくても相手が嫌がっているでしょう...」
そんなことは日常だった...
約10年後...
ガラクタばかりだったこの町は、とてもいい町になっていた
私は鍛冶屋として働いていた
ガラクタを道具にして、それを使ってこの町の文化を発展させた
その結果、みんなもいいものを作ろうと熱心になり、みんなが鍛冶屋となった
そんなある日、ユリが帰宅すると、家の中はしんとしていた
ユリ「ただいまー!ってあれ?」
その時の家の雰囲気は今でも覚えている、とても暗かったんだ...
ユリ「サプライズでも準備してるのかなぁ?」
嫌な予感がする...ってわかってたんだ...でも、こう言わずにはいられなかった
そして、リビングのドアを開けてしまった...
ユリ「母さん...!」
母が血だまりで倒れていた
ユリ「母さん!起きてよ!」
頭が狂いそうだった…
そして揺さぶっていると…
母はとても小さく、消えそうな声でこう言った
「あなたは...強く生きて...好きなことを...大事にしてね...」
母の意識は混濁しているのだろう、微かにこう言っていた
「平和な町を...作って...お願い...神様...」
そして母から力が抜けていく...
ユリ「いったいこれは何...」
その時、涙を流した
ユリ「なんだ...この気持ち...今までにない...」
それは、
哀しみを感じたかと思えば、今度は違う何かを感じた
ユリ「あはは...悲しいよ...母さんをこのままにしておくなんてできないよ...」
悲しいのに、何かがおかしい...なぜ私は笑っているのか...?
気がつけば私は母の亡骸で何かを作り始めていた
ズゥー...ズゥー...
母を分解し、骨を取り出し...
そしてそれを加工する...!
ユリ「あはは!できた...!」
作っていたのは、ナイフだった
ユリ「これであいつらを...殺してやる...あはは...あははははは!」
もうこの時点でかなり狂っていたのだろう
私は家を飛び出した
人々は逃げ出し、それを私は追いかける
そして捕まえたやつを片っ端から殺していた
そんなことを繰り返していたら、ミアを見つけた
この時は、ただの小さい人だと思って追いかけようとした
でも、ミアは逃げなかった
ミア「おねえちゃんどうしたの?すっごくひどい顔してるけど...」
何を言っているのか、この時の私は理解してなかった
でも、近くにあった水たまりを見たら、血に濡れたクマの深い殺人姫が映っていた
ユリ「うそ...これが今の私...?」
ミア「それに...その手に持ってる物は何...?」
そう言われて自分の持ってた母の骨で作ったナイフは...
ボロボロで真っ赤に染まっていた...
ミア「何があったの...?詳しく聞きたいよ...おねえちゃん...」
話を聞いてくれる人なんて、初めてだった
そして自分の身にあったことを全部話した
そしたら
ミア「そんな可哀想なことがあったの...慰めてあげるよ」
といい、ギューっと抱きしめてくれた
ユリ「ずっとつらかったの...うぅ...」
こんな自分を慰めてくれるなんて思わなくて、思わず涙が出た
ミア「これからは私が一緒にいてあげるよ!」
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そして、私は雑に人を殺すことはやめ、犯人探しに注力していた
そしてついに見つけた...!と思っていたら、死んでいた...
あの時死んだのはなんでだろうな...なんて思ってたら、ポルサネが復活させてくれた
そのときは、記憶が飛んでいたせいで、ミアを忘れていた
そのせいで...ミアが一回死んだ...
そのときは、すぐ復活してもらえる可能性があったから...そこまでだった...
でも、今は遠くに行っていないんだ...!
彼の能力がどこまで適応させられるか分からないんだ…!
それに...ここまで無残に殺すなんて...あまりにもひどい...!
─久々に...出てきたよ...この気持ち...
覚悟しろよ...!
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