第二十八話 フルーツミニガン

寝心地よかったなあのベッド...

「...首の固定が甘くて取れちゃった...」

あらま、くっつけてやるよ

グリグリ...グリグリ...

「何の音ですか...って何してるんですか?」

あぁユウ、首が取れたらしいからくっつけてるんよ、間接に合うようにな

「それ中身見えてるってことですか...?」

...あんま見ないようにしてるけどそうだよ

「人って慣れるとこうなってしまうんですか?」

そうなんじゃない?俺らだけかもしれんけど

(慣れとは恐ろしいものだな...)

ヨシ、ちゃんとついたはずだぜ

「...ありがとう...」

さて、今日はどこ行く?

「私がよく行った森に行きましょう!すごくおいしい果実があるんだ!」

マジかシキ、行ってみようぜ!

そうして、森へ着いた

サンがいた森とは違って植物の密度が段違いだな

「歩きにくいな!」

はっきり言うな!サン!

「草を切ってやりたい」

まあ確かにわかるけども...

(小動物いてもわからず踏んじまいそうだぜ...)

地面よく見えねぇもんな...草で...

「すごい邪魔で進めない...」

草のせいでミアの姿全然見えねぇ...そんな小さかったっけ?

「アハハ!触れてあげないでよ!気にしちゃうから!」

あぁ~、悪かったよ...あと踏みそうになるからユリの肩にでも乗っとけ...

「わかった!」

「...なんだか、鳥を乗せている人みたい...」

なんかいるよな、そんな感じの人

─そういいながら進んでいくと、青い木の実を見つけた

「これこれ~!」

シキが木の実を取ろうとすると、なんか飛んできた

ベチャ

「うわぁ!」

シキの服に赤い木の実がべっとりついてる、飛んできたのはそれか

「シキのあの服、洗えないのに...」

え?アヤセ、あの服洗えないの!?今まで汚れたらどうしてたん?

「これよ、シュ...」

ファ!?シキの分身を出した!?

「からの、消去」

すげぇ、服だけ残った...!

「こうやって予備をいつも出してたの」

なんというか...器用だな...

「なんか、飛んでくる数増えてないか?」

イチがめちゃくちゃ被弾しまくってる...

というか、マジでめっちゃ飛んでくるやん、ちょっとこの木の実ぶん投げてみよう

ガン!ドカーン!

ファ!?爆発音!?

「アハハハ!見てくるぅ!」

おいユリ...ケガすんなよ?

「アハハ!わかったぁ~!」

あれ?ミアは?って思って周囲を見てみたらユリの肩から降りていた

「ミアはこっちで待ってよう」

イフがミアをおんぶする

少ししたら、ミアは眠ってしまった

(かわいい...小動物みたいだ...)

わかる、あの寝顔が特にな

なんて思っていたら、ユリが人を引きずりながら帰ってきた

「アハハ!この人が倒れてたわぁ!アハハハハハ!」

こいつ、大量の木の実を抱えてる...!それと...なんだこれは...

「ミニガンね、とっても連射力が高いのよこれ!弾薬がすぐなくなるけどね...」

シキとアヤセが目を輝かせている

「なんでこの人が持ってるんだろう...」

ミニガンを手に取ろうとすると、そいつは起き上がった

「私のベリーガンに触らないでいただけるかしら!」

名前つけてるんだ...あとお前俺らに撃ってきてたよな、その...ベリーガンで

「泥棒かと思ったんだ、ごめん...」

まったく...まあ知らずに取ろうとした俺らも悪かったけどさ...

まぁ、って何してんのアリス

「木を絞ってるんだ!なんか出ないかなって!」

おぉぅ絞るな絞るな、なんも出んって

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

グギギギギギ!!!

ファ!?木の水分が絞られてる!?バケモンか!?

「この森の木すべて絞ってみたいねぇ!」

やめろやめろ!環境に良くない!

「面白いね君たち、仲間になろうかな...」

あぁ、お前もいると多分もっと面白いよ

名前つけてやるよ、29号だ、なんて呼んだらいい?

「29か...肉が頭から離れないからニックでいいかな?」

いいぜ!さて、帰るかってもう夜かよ!

ササっと探索だけして帰ろうと思ったのに!

「まあ、しょうがないさ...なんかこの世界は一日があっという間に

終わっちゃうからな...家なら既にあるからな!」

あぁサン持ってきてたのかっておい!宿をそのまんま持ってくなぁ!

「大丈夫だ!許可は取ってるからな!」

そういう問題か...?まあいいか...

ツッコみどころしかないが、外で寝るよりはマシだから宿で眠った

今日はいつもより疲れた気がする...明日はなんも問題ないといいな...

─木の実が食えなかった悔しさを感じながら、二十七日目が終わった

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