第二十六話 屋敷に住む臆病者

「...眠れなかった...」

オスト、いつにもましてクマがひでぇぞ?

「...肩が重い...」

なんかついてるんかな?

「今日はなんかいる気配を感じますよね...」

ニコが少し震えている

「大丈夫さ!霊が来てもこっちには最恐の人がいるんだ!」

それもしかしなくてもユリだな?レオ

「あっやべ、バレちまった!ハハッ!」

「...あとで私の部屋に来い...アハハ!」

こりゃ斬られるな...まあレオは再生するしいいか...

とりま今日はあの屋敷行こうぜ!

(めちゃくちゃ雰囲気あるやつやん)

入ってみると、中は結構綺麗だった

そうして、フロアへ向かうと早速物が飛んできた

「テーブルとかも飛ぶんだねぇ...興味深い...!」

アリス、そういいながら片手で止めてんじゃねぇよ...

今度は、シャンデリアが落ちてきた

「...肩こりに効くなぁ...」

おぉう刺さってんぞオスト、あとゾン兄...足に刺さってるのに気づいてないのか?

「あれ、マジだ...足つぼマッサージしてもらってるのかと思ってた...」

お前ら...鈍感だな...

ホールへ到着した

「ここすっごい広いねぇ~!アハハ!叫びたいぐらいよぉ~!」

「やめておきなさい、誰かいたらどうす...る...後ろ何かいます!」

ユウが見ている方向を見てみると、半透明な女の子がこっちを見ていた

はっきり見えない感じ、そしてこのオーラ...やっぱお化けだな

って、固まっちゃってるよお化けが...

ユリが近寄ろうとすると、お化けは大慌てで逃げてしまった

「アハハハ!なんか逃げられちゃった!触ってみようとしたのに!」

「そりゃ逃げるでしょ、アンタ怖いんだから」

サンが苦笑いしている

ってか、触れないだろ、お化けだろあの子

「それにしても、とても可愛かったですねあのお化け、驚かしちゃったけど...」

あの子は悪いお化けには見えないよな、ちょっと俺だけであの子の方へ行くぜ

「なんかあったら呼べよ~!切り裂いてやるから」

わかったぜ!そこで待っとけお前ら!


─数分後─


さて...迷ったなこれ、どこ探しても出てこないし...

「私のこと?」

うぉぉ!?どこいたんだよぉびっくりしたなぁ!!あと喋れるんかい!?

「怖くて...一人になるのを待ってたの...」

一人じゃないと本領発揮できないお化けなのかい?

「いや...一人じゃないと話しかけれないの...」

あ、襲ってくるタイプですらなかった

というか、なんであの時後ろにいたのさ

「何してるのか気になって...」

あーなるほど、ところで、お前ここに住んでるのか?

「いや...あのゾンビちゃんと同じ墓に居たの...」

オストのことか、あいつと同じ墓に居たんや

「オストなのね...ここに居たら来るかなって...ずっと待ってたの...」

そしたら俺らが来てたってわけか、なんか悪かったな

「とても楽しそうだったね」

たのしいよ、仲間がいっぱいいるっていうのは

「私も...一緒に居ていいかな?」

もちろんだ、ってどうした?震えてるけど

「後ろに...手が...」

ん?

ガシッ

掴んだ、後ろ見てみよう

なんと、ルミがいた

「...なんで掴むの...」

癖ついてるかもしれんわ俺、何かいたら掴もうとしてるわ

というか、おめぇはなんでここにいるんだよ

「...前の家、でかいトカゲみたいなやつが落ちてきて...壊れちゃったの...」

ぜってぇあのときのオオサンショウウオやん、そこまで飛んでったのかよ...

「...とりあえず見つけたここに住んでる...」

そうかそうか、あいつらに会ったか?

「...会ってない...」

...そうか

「あの~...名前が欲しいです...」

おっと、忘れるところだった、君は28号だ、なんて呼ぼうかな...

「...霊なんだし、レイでいいんじゃないかな...」

いいなそれ、じゃあレイと呼ぼうかな

「...やった...」

よし、そろそろあいつらのとこ戻らなきゃ、もう夜だ...

─────────────

戻ったぜぇ~!

「遅いぞぉ!」

グヘァ!?

サン殴ってくるなよ...

「心配したんだからな!」

悪かったって...

(他のやつは途中で寝ちまったけど、俺とサンはずっと起きてたぜ)

イワも起きてたんだ、待たせて悪かったな...もう寝よう...

─胸が痛むが、死ぬよりはマシだなと思いながら、眠りにつき

二十五日目が終わった

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