第二十四話 ワープ泥棒

いやぁ...なんか、部屋がびちゃびちゃしてるな...

「何が?」

イフ、ちょっと言っていいか?部屋びっしょびしょなんだけど、何したん?

「あぁこれか、悪魔とはいえ一応水生生物だからさ...水で部屋を満たしてたんだよ」

水槽でもやろうか?

「いらないよ、自分で水出せるし」

うーん...まあ、それでいいなら俺はなんも言わんけど...

「私達じゃなきゃ溺れてたわね...」

イチたちはあれか、水中でも平気だもんな

というか、レオは何してんだよ

「暇だったからユウのように紅茶飲もうとしたんだが、普通にミスった...」

すげぇ禍々しい色の紅茶やん

「飲んでみるか...って消えた!?」

テーブルに置いといたはずのティーカップが消えていた

誰も取ってないよな?

「近くに誰もいなかったけど」

そうだよな...なんでやろな...

「斧がねぇ!」

「トライデントもだ!」

「アハハ!あれぇ~?調理用のナイフもないねぇ~!」

「...私の腕も...」

いろんなもの消えてるやん...あと腕も!?なにしてんだよオスト!って両腕!?

なんで腕外してんだよ!?

「...寝てるときに腕が勝手に動くから...枕にしてたの...」

こっわ、ゾンビかよってゾンビか

「...」

ごめんって、その目で俺を見るな!恥ずかしい!

(俺も体の一部どっか行った...)

イワも?って目の部分持ってかれてない?

(だがこれは好都合、あっちのほうも見れるのさ)

何が見える?

(トライデントに、斧...魔法の杖とか、それに部屋の中で暴れ散らかしている腕が見えるね、あとこいつの部屋びっちょびちょなんだけど、イフの部屋からもなんか取ろうとしたんかな?)

人はいないんか?

(よく見えない...俺の目の部分でも握ってんのか?あっこいつワープホール出してる)

マジで?

(後ろ見てみ)

おっと!?逃がさんよ^^

腕を鷲掴みして、中から人を引っ張り出した

「いってぇ...なんで掴まれたんだ...!」

おい、俺らからなんか取っただろう

「いや、取ってない!証拠がないだろ!」

パキポキ

ユリが指を鳴らして詰め寄る

「アハハ...!正直に言え...!じゃないと貴様で料理してやる...!」

マジの目してて怖いんだけど...

「ひえぇぇぇぇ...!わかったよ認めるよ...!」

「返セ...料理をしたいんだ...!」

「わ、わかったわかった!全部返すから!やめろ!そのナタを持ってこっち来るな!」

そうして、全部帰ってきた

「暇だったから、イタズラのつもりでやったんだ...許してくれ...」

暇だったのかよ...ここに来ればよかったやん直接...仲間になるなら大歓迎だぞ俺は

「マジかい?だったら俺も入りたいんだけど」

よしよし、今日から君は26号だ、なんて呼んだらいい?

「テルで頼む」

一日は始まったばっかりだと思ったのに、もう夜だった

一日がとても短い

しょうがねぇ...明日の行き先決めて寝ようぜ...

「私、明日師匠さんのところに行かなきゃならないです...どうしましょう...」

ノア、師匠がいたんだな、俺らもそこ行ってみていい?

「多分...大丈夫だと思います」

─師匠か...美しい人なんだろうな...大賢者とかかな...と思いつつ、眠りにつき

二十三日目が終わった

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