第二十二話 彗星の意思

「やっと池に行けるのか、待ちくたびれたぜ!」

イチがめっちゃ楽しみにしている、多分池を泳ぐつもりなんだろう

まあ、あの片割れと会わなければいいが...

「総長は早朝に弱いので大丈夫かと」

マジで?んじゃ行くなら今だな!

池までは、もうすぐだった気がする、邪魔者が多すぎて苦労したわ...

「本当に苦労ばっかしたわ、ずっと銃弾食らってたし」

レオが一番苦労してそう

そうして歩いていると、でかい池が見えてきた

「よっしゃー!泳ぐぞぉー!」

おいちょっと...まだ何いるかわからんのに...

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

言わんこっちゃない...なんかいたじゃねぇか...

「...昔食ったはずの池のヌシだ...相変わらず美味しそうだ...」

ゾン兄、ここ来たことあるんだ

「...オストと一緒にここに来たことあるのさ...」

あーなるほど、ずっとあそこにいたわけじゃないんや

「...池のヌシはめっちゃ美味しいぞ、脂がのっててな...」

ヌシ以外になんかいるのか?

「...とてもでかいオオサンショウウオが...」

どのぐらいだよ大きさ

「こいつ20mは越えてるよぉぉぉぉぉぉ!」

イチ!?大丈夫なんか!?丸吞みじゃねぇか!

「なんか人の骨があるぞこれ!絶対過去に食われたやつがいるでしょ!」

言ってる場合か?出る方法探すか、とりあえず切り刻んでみたら?

「...頑丈だよこいつ、ゾン兄のパンチでもびくともしない...」

マジかよ...んじゃどうするんだ?

ユサユサ

なんだダン、なんか案があるのか?

(私をあのオオサンショウウオに投げろだってさ、内部からなんかやってみるって)

マジで?じゃあ行くよ、オラァ!

狙いバッチリ!オオサンショウウオの口から内部へ入った

「あれ、ダンが来たぞ?って、うおぉ!それがあったか!」

ユサユサ...ユサユサ...

オオサンショウウオの胃の部分が膨れていくのがわかる

(ははっ苦しそうだな!)

「分裂系の怖さが改めてわかるわ...」

「内部からやるなんて、怖いわ...」

ニコとユウの言うとおりだ、分裂の力が怖いんよ

オオサンショウウオは、分裂しまくるダンに耐えれず

イチとダンを吐き出した

そして少し苦しそうにした後、またこちらへ向かってきた

あっやべ、と思っていたら、上からなんか降ってきた

そして、オオサンショウウオに直撃した

「よく見たら彗星じゃん、なんで降ってきたのか知らないけどラッキーじゃね?」

いや、カイよく見ろ、人の形してるぞ!

「性別がわからないが...本当だ...!」

そうして、生きてるかどうかすらわからないから触ろうとしたら起き上がった!

「何をじろじろ見ているの?」

うぉっとなんだ、生きていたのか

ずっと倒れてたから、死んだのかと思って復活させようとしてたんだよ

「復活させるために触るんですか?」

俺の能力、触らなきゃ発動しないんだよ...

「そうですか...まあ、見守ってくれただけありがたいです」

それにしても、なんで空から降ってきたん?

「彗星のように、宇宙をさまよっていただけです、理由はありません」

彗星か、確かにキラキラしてるな体が

自由に旅する者...そうだ、俺と一緒に冒険しないか?楽しいぞ

「求めるものはないけど、いいのかい?」

いいよいいよ、旅する理由あんまないし

それじゃ、名前を付けよう、君は24号だ、なんて呼んだらいいかな

「...ユメで」

わかったぜ!んじゃ...って、綺麗な流星群じゃねぇか...

「あれらは私の仲間ね、ここに来るのは珍しいわ」

ほう、何年に一度ってわかるか?

「たしか...6000年に一度ぐらいじゃなかったかしら?」

うそだろ!?そんな珍しいの!?

この景色見ながら寝ようぜ!

ノアが家を召喚した

「天井をガラス張りにしておきました!」

寝ながら見れるとはな...

─夜空を眺めながら、眠りに落ち、二十一日目が終わった

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