第十九話 信者の多い町

サンと家を建ててる途中で気になることがあった

そーいや、あの子結局何してるんだろうな

「誰のこと?」

あれだよ、死の呪いを持ってたやつ、こっちに連れてくると町の人が死ぬかもしれないから置いてきたじゃん

「そーいやそうだな、というか、名前つけてないの?」

あっやべ、すっかり忘れてら...

「忘れちゃダメでしょ...」

多分死にかけで頭が働かなかったんだな...ユウと一緒に探しに行かせるか

「私は木の板をめっちゃ作って待ってるわ」

そして俺は、サンを置いてユウのところへ行った

ユウは紅茶を飲みながらミアを撫でていた

「どうしたの?」

あの呪いの子を探さね?名前つけ忘れたし...

「なるほど、わかりました、行きましょう」

そうして、またあの山に来た

場所は結構わかりやすい、前ノアが召喚してた家をここらへんに置き去りにしてたはずだ...!

そして、その場所へ着くと、なんか人達がいた

「ここの人にもあのお方の素晴らしさを教えましょう!」

宗教関係の人かな、なんでこんなところに...

そして、その人たちが家のチャイムを鳴らす

ドアが開かれると...あの子が出てきた

「あの子に近寄るつもりだわ、大丈夫かしら...」

やっぱり、宗教関係の人は倒れてしまった

「私達も行きます?」

行かねーと戻っちまうぞ、行くぞ

そうして、あの子の前に出た

「...あの時の...何の用...?」

名前つけ忘れてたから、付けに来た

「...そうか...」

ってことで、なんて呼んだらいいかな

「...ルミで...」

おっけ、たまに会いに来てくれよな、ルミ

ところで、この明らか宗教勧誘しに来た人、どの町から来たんだろう

「わからないです...」

とりあえず、こいつらが来た方向を進んでみた

そしたら、町が見えてきた

「私たちのいた町やあの隣町とはまた違った雰囲気がしますね」

確かに、なんだかほんわかとした雰囲気だ、眠くなってくる

町を進んでいくと、教会が見えてきた

教会に入ってみると、ユウのような天使がいた

「お兄ちゃん...こんなところで何してるの?」

「なんか、ここで平和を守ってたら、シスターさんたちが崇拝しまくって...気がつけばこんなに人が来るようになったんだよ...」

いや人多すぎだろ、めっちゃキッツイぞ

「お供え物とかいらないのに、みんなくれるからずっともらいっぱなしだよ...」

「なんか...いっぱい信者がいるって大変ね...」

ちょっと説得できるかやってみるか...

ちょっと聞いてくれ!お前ら!そこの天使が困ってるだろ!

彼を自由にさせるんだ!

さてどうだ...?

「天使様を逃がすわけにはいかない!断固拒否する!」

信者全員がそう言った

だめだこりゃ...

「お兄ちゃん!あなたがはっきり言ったら?」

「なるほど、わかったぞ!」

「皆さん、聞いてくれ!僕は平和が好きです!でも自由も好きです!私に自由をください!あとお供え物はもういらないです!ありがたいけど!」

すると、信者達が道を開け始めた

よし、これで帰れるな...

「...なぁ、君...どうして僕の妹を連れているんだい...?さっきは教会だから聞かなかったけど...」

俺の仲間だから

「なるほど、僕も仲間になっていいかい?」

あぁ、いいよ

君は22号と名付ける、なんて呼んだらいい?

「エルで」

おっけ、そんじゃ帰るか、ユウ~乗せてくれぇ~!

「はいはい...行きますよ...」

ゆっくり寝れそうだ...うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

...超高速で家まで飛んで行った

風圧で死ぬかと思った...!

「あら、帰ってきたのね、みんな寝ちゃったよ」

サン、まだ起きてたのか...

「帰ってくるまで木の板めっちゃ作ってたから」

そうだったな、ところで、ベッドは?

「そこにあるよ、木で作ったベッド」

...へ?

─冷たいベッドだったが、仕方なく眠りにつき、十八日目が終わった

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