第十七話 あの町での事件

ポルサネは自らの故郷へ帰ってきた、そして、仲間が全員入れるように、家を改造しているうちに、夜が来て、寝ることにした

みんなが寝ている中、ユリは外へ出て、あの隣町へ戻っていた

そして、自らが倒れていた場所へ帰ってきた

そこには、凄惨な光景が広がっていた

それを見たユリは、驚いた

「ミア...そんな...」

そこには血塗れの猫耳の少女が倒れていた

ユリは、泣き始めた、自分がずっと大切にしていた子が、死んでいたのだ...

明らかに誰かがやった痕跡があった

もう既に、冷たくなっていた

「そんな...そんな...ァァァ...」

悲しみの中、ユリの背後に数人が立っていた

「お前らか...アハハ...!」

ユリは振り返らずにそう言う

奴らは

「邪魔だったから殺したんだ、文句あるのかよ」

と、ユリを嘲るように見ながら言った、だが奴らはその発言をしたことを一瞬で後悔することになる

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」

なんと、奴らの中の一人の足が瞬時に切られていた

「なんだ!?」

「何が起こっている!?」

奴らが慌てる

「アハハ...かかってきなよ...全員ばらばらにしてあげる...!」

狂気と怒りがユリを包む

「チッ...一回不意打ちが成功したからって舐めてんじゃねぇぞ!」

奴らがそういいながら突っ込んだが、それも意味をなさなかった

そこにユリはいなかったからだ

奴らは暗闇に包まれた

「見えない...どこにいやがる...!」

「警戒を怠るな...!」

奴らが警戒する中、ユリが奇妙なことを言う

「アハハハハハ...肉を食らいたい…あなたたちの血を飲みたい…狂った鍛冶屋は、あなたたちを粉砕するだけでは飽き足らず、あなたたちの精神を粉砕したいと考えているんだ…警戒したところで無駄さ...アハハハ...!」

奴らは、恐怖で震えながら、謝り始めた

「悪かった...!」

「頼む...!」

「見逃してくれ...!」

その言葉がユリに届くわけはなかった

奴らは、一瞬で切り刻まれた

「...もう大丈夫だからね...」

そう言い、ユリはミアを抱えて、ポルサネのところへ戻った

「起きて...この子を...この子をお願い...」

ユリに起こされたポルサネはじゃっかん寝ぼけながらミアを復活させた

シュゥゥゥ...

「...ウゥ...マイ...あれ?ここは?」

ここは家だ、俺が君を復活させた

「マイ...マイは...?」

マイ?誰のことだ?と思っていたら、ミアはユリのほうに走っていった

「マイ~!」

ミアはユリに思いっきり抱きついた

なるほど、大体察した

「なんて尊い...」

ユウがにっこりしている

「次は守るよ...ミア...」

そう言って、ユリもミアに抱きついた

なんというか、ギャップがすごいな...

とりあえず、ミア...でいいかな、君を21号とする、ミアと呼んでいいかな

「うん!」

─まさかユリに大切な人がいたとは...と思いながら、ポルサネはまた眠りにつき、十六日目が終わった

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