第十六話 下山

今日はこの山を下りて行こう、滑り落ちたくないし...

「ポーションはいくらでもあるわけじゃないからね?」

「...この山、急傾斜になってるところがある...」

オストがそう言いながら落ちてった

「流石に死ぬことはないだろうけど、痛そうだぞ...」

サンがそう言いながら、ニコに肩車をしてもらっている

正直うらやましいと思った

(というか、飛べるやつにつかまれば簡単だろ)

その手があったな!よし、落下に耐性があるやつは無理ない程度に落ちとけ!

俺はユウをつかんでおくぜ!

「わが妹よ、私につかまっておけ、いい着地を見せてやろう」

『わーい!ありがとうおねぇちゃん!』

流石と言いたいが、今までの印象のせいで素直に褒めたくない

(俺は岩だし、普通に落ちてくぜぇぇぇぇ!)

すげぇゴロゴロ転がってるわイワが

「そろそろ行きますよ、心の準備はいいですか?」

いいぜ!

「えい!」

ユウは大きな羽を広げて、ゆっくり落下し始める

これはかなり安全そうだな

そう思ったのも束の間、下からなんか飛んできた

見た感じ銃弾のようだ、どう考えても下に敵がいるなこれは

他の仲間たちは大丈夫だろうか、まあ、イワは絶対大丈夫という自信しかないけど

「ひぃ!銃弾怖いです...」

そら、ユイは撃たれて一回死んだもんな...だが大丈夫だ!俺の手で復活できるからな!

というか、天使は不死身とかじゃないのか?

「一応不死身ですけど、切り替えができるんです!前は油断してたから死んでしまいましたけど、今回は死ぬわけにはいきません!」

そんなことできるんだ、不思議だなぁ、というか反撃しないのか?

「私は天使です、天使は人々を守るものです、それなのに、攻撃をするわけにはいきません」

攻撃されながらこのセリフ言うなんて、優しいぜユウは...!

それにしても、弾幕が激しいぜこれは...

「なぜこんなに狙われているのでしょうか...」

知らんけど、多分強盗集団じゃない?多分天使の羽を狙っているんだろう

「そんな人たちがいるなんて...怖いです...」

ウグッ...!

集中砲火をされ続けていたら流石に一撃はもらうな...だが問題ない!こっちにはユウがいるんだ!癒しの祈りですぐ回復するんだよ!

...流石に俺反撃してもいいよなこれ、マジで永遠に撃ってくるぞ

そう思っていると、下のほうで大爆発が起きた

「何が起こっているんですか...」

知らんな...イタチが爆発するポーションでも投げたか?

爆発の煙で目が痛いぜ...

「あら、大丈夫ですか?」

うぐ...多分大丈夫だ、問題ない...ユウは大丈夫か?

「目を閉じているので大丈夫です」

そうか、よかったよかった

そうして、やっと地面についた

お前ら、何やってたんだ?派手に大爆発してたぞ

「ノアが慌てて放った呪文みたい...」

ノアのほう見てみたら気絶していた

あとゾン兄...体が半分吹き飛んでるぞ...

「おっと、再生忘れてた...」

そう言って、瞬時に再生した

「...いいな、兄さんは...再生が早くて...」

オストが羨ましがっている

「いや、これ自動再生じゃないから...」

んなことあるんかよ、不思議なことしかねぇな

夜が近づいていたので、サンに家を持ってきてもらっていたら、気づかぬ間に敵の死体に触れていたらしく、音が鳴った

シュゥゥゥ...

仲間になるしいっか

「うぅ...消し炭になりかけた...あれ、生きてる...?」

俺が復活させたからな、これ俺あと何回言うんだろうか...

「もしかして天使にしがみついてたのお前か?撃ったのは私だけど」

お前かよ!一撃入って痛かったんだぞ!

「ごめんって...」

まあ、おめぇは今日から仲間だ

「え、強盗もうしなくていいの?」

強盗っていう予想当たった~

まぁ、もうしなくていいと思うぜ、今日からお前は20号だ

呼び方は何がいい?

「ルイで、もともとの名前だし...」

おっけ、わかったぜ、今日はサンが持ってくる家で寝ようぜ

─強盗集団の9割を大爆発させたノアに感謝をしながら、十五日目が終わった

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