第十四話 それは、ただあるだけだった

さて、今日も行くか

今日で頂上行きたいな

「紫のおねえちゃん!今日は大丈夫?」

シズクが声を掛ける

「あぁ、妹が可愛すぎてまた気絶しそうだ...」

リアいっつも妹のことしか考えてねぇな...

そうして進んでいくと、ある一つの岩が道を塞いできた

「邪魔な岩ね...」

イチがそういって、トライデントを投げようとする

ただ、その手は止まった

「動かせばいいと思うぜ!」

サンがそう言って、持ち運ぼうとするが、持ち上がらないようだ

ニコが手伝いに行っても、ビクともしない

そんな重いか?俺がやってみよう

そうすると、岩はスーッと動いた

あれま、普通に動いたぞ

そうして、空いた道を通ろうとすると、どこかからか声が聞こえてきた

(ありがとよ、意識が戻ったぜ)

え?どういうことだよ、あの岩ってことか?

(あぁ、そうだ、俺は岩だ)

岩はテレパシーで話すタイプか...

(あぁ、これ一応全員にやってるからな!)

はいよ、そんで仲間になるか?

(あぁ、ぼっちはつらかったんだ、仲間ができてうれしいよ)

んじゃ17号と名付けよう、呼び方は何がいい?

(イワで)

おっけい、動けるのか?お前

(岩を舐めんじゃねぇ!動けるさ!)

すると、岩の形が変化し始めた、それは人型に近づいていた

(これが俺の真の姿だ!)

「おぉ!すごい!変身魔法のようだ!」

ノアが興奮している

(ってことで、よろしくな!)

あぁ、よろしく

ということで、新しい仲間が増えたところ

先へ進もうとしたが目の前で待ち構えている人がいた

明らかに強そうなゾンビだ

「...ついてきてたのか...兄さん...」

オストがそう言うと、そいつはニヤリと笑った

「...あぁ、ついてきてたさ...お前が墓地を出た時から...」

そう言って、相手が飛び出してきた

すると、カイが前へ出て、相手を切り刻んでしまった

また切り刻んで勝利かと思ったが、相手は再生をして、また襲い掛かってきた

「僕にはそれは効かないね...!復活するから...!」

「チィ...!オラァ!オラオラァ!」

カイが何度切り刻んでも、復活してくる

そして相手が攻撃をする...!

「ぐぅ...効くな...」

カイが苦戦するなんてな、予想外だよ

なんて思っていたら、レオが前へ出て、手を触れた

「適応」

そういった瞬間、相手は倒れた

何をしたん?

「相手に適応して、復活を阻止する力をつけさせた」

そんなことできんのかよ

それでも、相手は復活してきた

「あれ?阻止したはずじゃ?」

レオが驚いている

「...復活して、それを超えた力をつけた...」

まためんどくさいパターンかよと思っていたが、あいつはもう敵対してなかった

「...ただ、正直...それがある時点で僕の負けさ...」

相手は、少し消えかかっていた、復活回数が0になったんだろう、完全に消える前に復活させよう

シュゥゥゥ...

「...なぜ僕を復活させるのだ...僕は君たちに襲い掛かっていたじゃないか...」

いや、それはそうだけど、仲間にしたほうがよさそうだし、何よりオストが悲しそうにしてるから

「...思ったより優しいんだな、君は...」

ふん...そう言われるとは思わなかったぜ...

さて、名前を付けよう、君は18号と名付ける、なんて呼んだらいいか?

「...ゾン兄で...」

おっけい、ゾン兄な

さて、夜が近づいている、サン!家を!

「よしきた!ほらよ!」

ふぅ...今日も疲れたぜ...

─岩とゾンビが仲間になったことを少し不思議に思いながら、十三日目が終わる

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