第5話 神降臨?
ジャー
(用を足したはいいが、この先どうするか…あー帰りたいー。また戻ってもあの人たちがいるしなあ…)
悩むこと15分経過
流石にトイレに20分以上いれば、店からも何か言われかもしれないと思い渋々ドアを開けた。
(もーやだなあ…戻りたくないなあ…ボーイに言うかあ…)
悩みながらもとりあえずVIPルームの前まで行ってみることに。
すると、曲がったその瞬間あの神がVIPルームのドアの前に立っていた。
「神!」
その声に「かみ?」とおうむ返しする神。
(しまった…何言ってんの私)
「あ、いやなんでも!さっきはー」
「さっきは悪かった」
神にありがとうと伝えようとすると謝罪をしてきた。
「え?」
「俺の連れが嫌な思いさせて悪かった」
(あーそのこと!それは神のせいではない。むしろ悪いのはあの男どもだ)
「全然!ほら、私何もなかったし、あははは…」
「笑い事じゃねーだろ!!」
突然声を荒げた神に少しビックリし、反射的に肩が跳ねた。
(え、何?!そんな私怒らせること言った?)
「悪い…つい、あいつらのことムカついて…」
そう言いながら、神は私に頭ポンポンしてきた。
「嫌な思いしたのに、平気そうな顔すんな」
(え、何この神はー!こんなこと普通の女の子がされたら惚れちまいますよお兄さん)
「あ、ありがとうございます…」
なんだか、この状況が歯痒くて今すぐここから立ち去りたいと思った。
「さっき俺の指名にしたから、君は終わるまで俺の横にいればいいよ」
(さっきのことがあったから、わざわざ自分の指名にしてくれたってことね。神って優しいのね)
「指名ありがとうございます!あの、私ってなんで新人なのにVIPに呼ばれたんですかね?」
気になっていたことを神に聞いてみる。
「あーそれは、蘭が新人可愛いから推しだって話をしてて、翔がその可愛さ見たさで指名したって感じだった気がする」
翔は神の連れで私の前にいた4人のうちの1人だと教えてくれた。
(蘭さーん…あなたのせいで私ちょっと危険な状況だったんですけどー…)
「そうだったんですね!私その可愛いさの期待以下だったからあんなことされたんですね…」
ハアー
神は私を見つめて、大袈裟なほど大きなため息を吐いた。
(え、何?私変なこと言った?!)
神はまた私の頭に手を置きながら、私の目線にまで腰を落とし、覗き込むように見つめてきた。
(え?!なに、なに?!なんですかーーー?!)
イケメンと顔面が近いこと、なんか頭に手置かれてること、キスされそうな至近距離となんかいろんな意味でドギマギする。
そしてこう一言放った。
「期待以上だからだよ」
(…はい?それはどういう意味で?)
目をパチクリさせていると、神はVIPルームの扉を開き、私の手首を持ち一緒に部屋の中へと歩んだ。
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