二日目

人間は神と獣のどちら側 規範をなぞる気もない日なた


枝先に陽だまりあつめ八重紅梅


十七年かけて知らないことだらけ水鏡ごし芽吹く遠柳


春水を味はふやうな葛のもち


遠い山とか馬酔木とか不安とか路地裏とかをしずかにしまう


 (猿沢池にて)

始まったことと終わりになったことあの子にとって不幸はどっち?


たあいないはがきを書けるほどの距離


「支払い、えっと、Suica、じゃなくて」


温かなお茶を一緒に飲みました大きな窓の傍の席です


木に春をみつけた今日を染めぬいて次の旅でもあざやかであれ


点々と光のみあり帰路の窓


レンズ越しふりかえらない弥生尽


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まな裏にふる名残り雪なら 音崎 琳 @otosakilin

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