奨励賞 黎明に落ちる
『黎明に落ちる』
宵町いつか様の作品
前置き
難しい。
選評にて「物語と呼べないような気がする」と評されている作品。
言いたいことはわかる。秒針が進んでいくのを眺めていくような話で、変化というのがあまりない。一歩踏み出すこともなく、諦めるわけもなく、失意に落ちるだけ。傷に気がつく話、というか傷を認める話というか、なんとなくそんな気がします。
痛いだけ。悲しいだけ。
憂いを帯びた少女が、黎明の中で静かに綺麗に佇んでいるようなそんな作品。
写真に取るように、ただひとつ切る取るだけでも心は美しい。
1 タイトル&キャッチコピー
タイトル:格好いい
『黎明に落ちる』
声に出したいですね。黎明というのは夜明けと、新しい事柄が始まることを意味します。普通明るい展開に使ったほうが自然なのですが「落ちる」というのを意図的に使って、始まったがそれは決して日の光を浴びれるようなものではないことを感じさせるタイトル。
キャッチコピー:なし
はい、ないんでございます。
2 あらすじ
あらすじ:英語
英語がわからなぁーーーーーーーーーーい(バカ)。
黎明に落ちるを英文にしているご様子。特に意味は感じないですね。
3 ストーリー
ストーリー:沈む。
日が沈むようなそんな話。
時計の針が全く進んだような気がしない。秒針が流れていって、朝を迎えるのが嫌で、眠れなくて、不安で、無駄に長く感じる深夜のような。時は進んでほしくないけど、それはそれとして今が辛くて、苦痛に感じているような感じ。
4 キャラ
キャラ:孤独
はっきりキャラがわかるのは主人公くらいで。いやまぁいるんですけど、日常の一部みたいな感じで、あまり特筆すべきこともない。存在感が希薄なので、一層主人公の孤独感を増している気がしますね。
5 世界観
世界観:現代
特筆することはないですかね。
6 文章
文章:ひとり
女子の塊だとか、精神的にきてるんだなと思わせるワードチョイス。周りがどうでもよくなって、心が現実から離れていることを感じさせてくる文章。
作品としての個性、というのを考えると一番表現できている作品に感じましたね。
7 まとめ
夏と言いつつ、冬の冷たい夜明けのような、つめた~い感じのする作品。かなり限定的な時期の切り取り方は写真のよう。
奨励賞――うーん、大賞でも納得しましたかねぇ。
本人からしたらなんでもあるんですけど、正直第三者からみたらなんでもないただの日常の一部を切り取っただけなんですけど、綺麗さもあるし、堕ちているのに読後感は不思議とすっきりですし、要素をかなり削ぎ落として洗練させているのがひしひしと感じさせる。小説としてかなりまとまっていますし、かなり思い切りがよくないと、ここまで心情を掘り下げられないですし、おそらくこれより短くとも長くとも何かが損なわれそうなので、かなり完成されている。
審査員とかだったらこれ大賞に推してたかもしれませんね。
まぁ、審査員してないですし、予定もないんですけど(おい)。
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