大賞 真綿の星
『真綿の星』
雨森透様の作品
前置き
レベルたっか……他の方が選評してますし、私いらないんじゃないかな。
……え? 仕事しろって?
もうちょっと体裁整っていたら教科書にのってた作品ですと言われても信じ込むレベル。情景描写やキャラの動き、現実とかなり結びついた描写は完全にそういった文学作品。私自身がこの作品を推すかなどはまた別の話なのですが、これは間違いなく大賞。
1 タイトル&キャッチコピー
タイトル:ショートショート
『真綿の星』
『銀河鉄道の夜』の話が出てくるのでおそらく『よだかの星』も意識してタイトルをつけられていそう(予想100%。なお的中率)。ストーリーもなんとなくそこら辺意識していそうだなぁ、と思いつつ、まぁ短編小説にふさわしいシンプル・イズ・ベストなタイトルですね。
キャッチコピー:詩的
『星の眩しさが私の首を絞める』
キャッチコピーからわかる古本の匂い。そんなイメージのする詩的な表現――グッド。
2 あらすじ
あらすじ:文学的
本の裏表紙とかにあるあらすじに近い感じですね。
3 ストーリー
ストーリー:逃避行
真綿で首を絞めるという表現がぴったりのストーリー。ストーリーの展開から真綿に針を包む的な要素もある。
真綿というのは強度が高く細くても切れずに首を絞めてくることからゆっくりと痛めつけられるような表現に使われるわけですね。
幻想的で綺麗な情景描写が魅せつつ、ニュースでは不穏さを演出し、過去が明かされることで先が明るくないことを思わせる。星の輝きですら胸をチクチクと刺してくるような、そんな印象すら受けますね。
4 キャラ
キャラ:ロードムービー
キャラクターが大きく成長する類の物語ではないので、正確には違うのですが、海外映画である犯罪者が逃避行する物語を日本にキレーに落とし込んだらこういうふうになるんだろうな、という感じのキャラクター。やりとりもリアリティ溢れている。
5 世界観
世界観:純文学
ずっと心地良い夜のままって感じですね。過去回想でやらかしあるんですけど、まぁ、正直淡白というか、どうでもいい(物語上必要なんですけど)感じなので、印象に影響を与えるほどのものではなかったですね。
6 文章
文章:丁寧
綺麗な情景描写とすらりとした心理描写でとても良いですね。惹き込まれる人も多くいるのでは。
7 まとめ
純文学ぽさを感じさせる作品。このまま長編にもできそうですね。文章も、話の構成もかなりレベルが高く、新鮮な外の空気を吸っているようなお話でした。
大納得の大賞。
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