夜海ルネ賞 ガーベラの笑顔
『ガーベラの笑顔』
結城 絵奈様の作品
https://kakuyomu.jp/works/16818093081815722954
前置き
うーん、難しい。
作品を読んで私が思ったことがこれである。夜海ルネ様の『月光』を読んでゆるレビューではなくレビューを書いたことがあるのですが、そのときの文量はゆるレビューにすると一項目分。そしてその『月光』の作者である夜海ルネ様が選んだ作品であるので審査員の特徴と作者様の特徴が浮き彫りになってくるのです。
その点からすると納得の夜海ルネ賞であり、クオリティも高く、面白いのですが、
ですが――
――言 語 化 が は ち ゃ め ち ゃ に 難 し い ん で す け ど ぉ!
1 タイトル&キャッチコピー
タイトル:赤
『ガーベラの笑顔』
はい、赤です。作中だとピンクのガーベラとなっていますが、この作品のイメージは完全に赤です。もっというとボルドー・クレール、明るめのワインレッドです。明るいのにどこか仄暗さを感じさせるそんな色のイメージの沸くタイトルです。
ちなみに色の知見がないので色を調べたらボルドー・クレールと出てきました(無知)。
キャッチコピー:ラブコメっぽい
『私は推しを飼っています』
キャッチコピーだけ見るとラブコメっぽい気がするんですよ。こうおぼろげにラブコメっぽいという印象が浮かぶんですよ。
内容は全くそんなことはないんですけど。
2 あらすじ
あらすじ:ぼかし
ぼかしつつ正確に物語の展開を説明できていますね。個人的にはあらすじというか紹介文は匂わせる程度が好きなので、受賞した作品全てに言えるのですが、紹介文がシンプルでとても良いです。
3 ストーリー
ストーリー:ズレ
ガーベラの花言葉を調べたら前向きな言葉が並べられていて意外でした。タイトルで仄暗さを感じた私はいったい……(直感/Zero)。
まぁストーリーなんですけどいい意味で気持ち悪いです。不気味のほうが良く感じられるでしょうか。
元友達とのやりとりのリアルさ、今の大好きな友達とのやりとりの人形劇のような希薄さ、現実の違和感、言動のズレ。不穏さを感じさせる話の繋がりと結末への持っていき方は舌を巻くレベル。
話の結末はいい感じなのですが、それでもどこか……というのを感じさせますね。引っかかり方が心地よい感じ。
4 キャラ
キャラ:花
心理描写にリアリティがありつつも、ガーベラが絡められているように花を感じさせる描写をされている……気がする。花というのはこの作品においては心なんだな、となんとなく思いますので、キャラは花と思いました。
5 世界観
世界観:歪
まぁ歪ですね。現代なので世界観的にはあまり言う事ない気がするんですけど、ねっとりホラー作品じみた歪さを感じさせるそんな作品だと感じました。
6 文章
文章:巧み
比喩表現やら何やらが結構詩的。邪魔くさいというほどではなくさらっと心情を表すかのように上手い感じに表現が顔を出してくる。かなり自分の文章のスタイルを尖らせているというか確立させている文章ですね。
7 まとめ
レ ビ ュ ー で 言 語 化 す る の が 難 し い 。
賞を取った作品の中では結構異彩を放つ作品でした。アイデアそのものが異色の作品はありましたが、物語の出す空気感や心理描写、全て折り重なってまさに「異彩」。
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