天井萌花賞 君が吐いた一つの嘘。
『君が吐いた一つの嘘。』
沙月雨様の作品
https://kakuyomu.jp/works/16817330658859591543
前置き
審査員賞第一回目、主催者様が選んだ天井萌花賞となります。
死神というキャラを結構使われがちですが、しっかりと個性が出ており、登場人物の関係が丁寧に描かれている模様。主催者様が好まれている関係性が描写されているのがポイントなのかな、と思いました。
1 タイトル&キャッチコピー
タイトル:一般文芸ぽい
『君が吐いた一つの嘘。』
シンプルで現代らしさが出ていると思います。終盤でちゃんとタイトル回収しているのもグッド。
キャッチコピー:不穏
『これは、私が死ぬまでの一週間の物語。』
死を描くのは結構難しいのですが、作者様の腕の見せ所さんですね。着地の仕方で好みはかなり別れるところ。個人的には、余命◯日で最後亡くなるのが確定している状態で過程に感動したりする作品はあまり好きではないです(キッパリ)。
2 あらすじ
あらすじ:感情
紹介文は主人公の心情が描かれているご様子。紹介文としてしっかり機能していると思います。
3 ストーリー
ストーリー:児童文学
始まりから結末まで、わかりやすく、テーマ性あり、関係性も深堀りできていて、児童小説の短編集などに組み込まれていてもおかしくない構成。子ども向け、というわけではなく、子どもの成長を手助けする、大人になっても読み返して想い出に浸れるような物語をここでは児童文学と表現しているので、まぁそんな感じです(語彙力皆無)。
タイトルも回収できて、ストーリーも少しずつ雨雲が晴れていくようでかなり好印象。前述した最後に亡くなる系は好きではないです、とわざわざ書いたのはこちらの作品はそんなことはなかったからです。好みの問題なので良い悪いではないですが、最後明るく希望に満ちたものにできているのでその点でもかなり好印象でした。
4 キャラ
キャラ:少女と死神
心情が丁寧に書かれていて、ふたりとも応援したくなるようなキャラをしていますね。最後にどうなるかは読んでみてのお楽しみという感じで。
5 世界観
世界観:現代
現代で、まぁ病室に来る死神という設定自体はありふれたものなので特筆することはないですね。
死神という設定を深堀りし、それを関係性を構成するのに役立てているのですごい(唐突な語彙消失)。
6 文章
文章:等身大
年齢にそった等身大の文章、という感じ。
7 まとめ
欲のいうのであれば副題が「◯ページ目」とかにしたほうが展開が予想できなくて良かったかな、と思う次第。
伏線もしっかりしており、心情の変化もリアルに描かれていて関係性も丁寧。
構成は綺麗に整っており、完成度の高い作品。
こういった系統をあまり読み慣れていないのですが、読了後は晴れやかな気分になれますし、おすすめも気軽にしやすいものとなっておりました。
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