ガラス細工の心臓
『ガラス細工の心臓』
シィータソルト様の作品
https://kakuyomu.jp/works/16817330660655670437
幼馴染で両片思いの琥珀と翡翠。
両思いになれない理由は翡翠の心臓にあった──
カクヨムWeb小説短編賞2023参加作品(2024年4月時点 中間選考通過)
ちなみにわた(手紙はここでちぎられている)
前置き
このままではファンタジーばかりになってしまう!
仕方ないです、ファンタジー好きなんですもの。文学的な短編も好きですよ?
というわけで百合作品(何も繋がっていない)。百合はいいぞ。
女性特有の関係性によって描かれる恋愛模様。下手に男が挟まってこようものなら悪即斬。とはいえ、男が挟まって面白い作品があるのなら教えてほしいところ。友情のハイパー化かガチ恋愛かは作品の売り次第。前者だと男が挟まっても問題ないのである、男とセットで友情がハイパー化してるのならいいのである。現実の定理などぶち壊せ、ガ○ダム!(酔ってません)
オタクにモノを語らせてはいけない、なぜならキ○いから(勝手な自傷行為による致命傷)。
話数1話のみ読了。
1 タイトル&キャッチコピー
タイトル:詩的
『ガラス細工の心臓』
若干おとぎ話ぽさあり。メルヘンチックな題名だと思いました。シンプルなタイトルで比喩か、はたまた本物かと覗きにいけそうな感じはありますね(比喩だと思ってた人)。
キャッチコピー:期待感あり
『脆い心臓は今日も保てるかわからない』
キャッチコピーでガラス細工の心臓とやらは比喩ではないことが判明。一体どんな話なのか……と期待が持てます。
2 あらすじ
あらすじ:全て
本作における魅力は語られているのであとは話と百合に興味が持てるかどうかですね。
3 ストーリー
ストーリー:荒削り
短編故か、若干力技なところがありますね。まず、序盤が人物説明で始まっています。かなり説明的なので、なんというか、もったいない。
途中で割と唐突に「呪い」という単語が出る。ガラスの心臓は病気なので翡翠がその奇病を「呪い」と認識していた、という話なんですけど……
冒頭に持っていきません?
結ばれたいのに結ばれない、愛を叫びたいのに叫べない。
そんな呪いとも呼べる奇病の説明と翡翠の苦しくも切ない心理描写を冒頭に持ってきたほうが圧倒的にインパクトがありますし、その後の展開で「呪い」という単語を繰り返すことになるのでもどかしさを強調もできます。
恋愛ものとして百合ものとしてキュン度が足りない、シチュエーションだけでもどかしさが説明的な地の文で冒頭に持ってこられると感情移入が浅くなってしまう。
二人とも恋愛小説書いてる時点で両片思いは察せますから! もっと甘苦しさを!
4 キャラ
キャラ:花
花、です。どういう表情が好きとかどんなところが好きかというのが状況に頼りすぎている感。綺麗には感じるのでしょうが人間性がちょーっと見えてこないですかね。
5 世界観
世界観:もったいない
ガラスの心臓がもったいなさすぎる!!
謎というのは7割くらいわかってて3割わからないくらいがいいんですけど3割くらいしかガラスの心臓のことがわかってない。奇病という扱いなのに症状しかわからず、キスで砕けちってはいめでたし。
ただの障害にしかなってないというのが正直なところ。
謎を多く残すのならもっとふわっとした概念にするとか。
もしくは現実の「奇病」という認識を強調するのではなく翡翠視点でひたすら呪いみたいだという表現を強調して得体のしれなさを明確にしておく……とか。
6 文章
文章:おとぎ話
説明的で駆け足なので、百合もの小説というよりは現代版おとぎ話(百合)といった印象。読みやすいですね。
7 まとめ
全体的に説明的で要素を抜き出してまとめたという感じなので甘酸っぱさが表現しきれていない。児童文学とかおとぎ話目指しましたと言われればまぁ……とはなりますが、百合ものとして非常にもったいない。せっかく身長が同じなのだからそれを再認識して「えへへ」となったりとか……
話の副題が単純に「第1話」なのももったいない。
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