【々・貴方の為の俺の呟き】

『【々・貴方の為の俺の呟き】』

ジュン様の作品

(現在読めないっぽいのでURLはありません)


主人公は「ありえない子」として生まれ、父親から愛も受けずに育つ。やがて成長した主人公は復讐の為、学院へと入学する。そして勇者や己と同じ「ありえない」白い髪を持つ少女と出会う──



前置き

第一項:《白い初桜》まで読了。



1 タイトル&キャッチコピー


タイトル:硬派そう

『【々・貴方の為の俺の呟き】』


正直に言ってしまうと頭に入りづらいです。

最初に踊り文字が来てしまっているのでこれを声に出して読むときに考慮するのかしないのか判断しにくい。


貴方の為の俺の呟きも読むときにすらっと読めるものではないし、インパクトはないです。全体を加味して作品を雰囲気を感じ取れる程度といったところ。タイトル自体に惹かれる要素はちょっとないかもしれません(ブーメランを直刺ししながら)。


キャッチコピー:正しくキャッチコピー

『愛がいっぱい詰まった大長編ダークファンタジー』


この作品がどういう作品なのか一発でわかるキャッチコピー。無難なところですかね。



2 あらすじ


あらすじ:親切

作品の方向性、話の流れはしっかりとわかります。



3 ストーリー


ストーリー:王道ダークファンタジー

第一項までで展開を語るのであれば、魔法を取り扱った学園モノらしいストーリー。特にストーリー上で悪いところはないです。

エピローグから始まるものの、それほど冗長に感じるものではないですし、本編も世界観を把握するには十分説明がなされているので混乱することもない。少なくともストーリーを読むのであればすんなり第一項は読めます。終わり方も期待させるような終わり方をするので好印象。



4 キャラ


キャラ:難あり

第一項時点だと入学式やって勇者と白い髪の子がドンパチやって……という感じなのでキャラの関係性自体があまり良好ではないスタートをするのでキャラそのものに好印象は持ちづらいかもですね。それでもそれぞれの立場や心情はしっかりと理解できる範囲などで不快感ほどではない。じっくり読んでいって少しずつ好きになっていく感じ。展開が丁寧な結果といったところでしょうか。


なんで難ありとしたかって? 世界観で話します。



5 世界観


世界観:ダークファンタジー

世界観自体はダークファンタジー展開自体もそれを期待させるものですしそれに答えてくださりそうな気配もあり。


ただ……


名 前 が 


名 前 が 覚 え ら れ な あ ぁ あ あ あ あ あ い !!


え? な、なんて?

っと思う名前がズラっと出てくる。最早その文字が並んでいる記号として捉えるレベル(記憶力のなさ)。項ごとの副題のセンスが良いのに本編の固有名詞だと長かったり馴染みのない言葉が並んでいたりと親しみを抱きづらい。ピカソみたいな覚えられない前提の長さなら割り切れますがそうでもない。目の前にヤギがいるかと思うくらい。


この作品は魅力的な部分がたくさん詰まっていますが名前ともう一つの要素でweb小説としての読みづらさを確立してしまっているのが悲しいところ。



6 文章


文章:硬い

堅苦しいとまではいきませんがかなりしっかりした3人称のような文章。序盤から独特な表現も使われるので慣れるまでに時間がかかる。こういう作品が好きであればすんなり読めますが「んー馴染む、馴染むぞぉ」となったところで名称ができてきて「??」となる。web小説としてはハードル高い。



7 まとめ

もっと人気あってもいいのにな、とまぁ人気出るのは難しいが両立する作品。


作者自身の小説を書く能力やストーリーの展開の仕方から見える実力は高いと思えるのですが読書上の消費カロリーでデカい。小説上欠点を実力で補ってプラマイゼロにしている感じ。非常にもったいない。


書く側の意図は汲んであげたい反面、小説なので読みやすさ&とっつきやすさはどうしても求められてしまうところ。


この作品は硬派とか本格だから読みづらい=消費カロリーがでかいというわけではなく工夫や道筋の親切さの話になってくるので大変な部分。


例えば『羅生門』の状況の受け入れやすさだったり、『走れメロス』の1文のインパクトであったり。足りないものは引き込ませて世界観に入らせる工夫。


小説って難しい。

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