Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜

『【休載中】Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜』

月影 弧夜見様の作品

https://kakuyomu.jp/works/16817139557411524732


冒険者感覚で勇者がいる世界で、勇者となった白。しかし数日後に王から死刑宣告を受けてしまい、逃げ出す。その先で金髪の魔法使いサナと出会って――



前置き

カクヨム上で小分けで読み続けている作品。おそらく文量的に一番読めている。

推しのひとり(?)の登場話数が1、流星のごとく死んだ。いや太陽なんですけれども。

読んだのは第9章:C・C・C(カーネイジ・クライシス・クラッシャー)の幹部襲来( Ⅳ )ですが、参考にするのは第7章:ブレイバーまで。



1 タイトル&キャッチコピー


タイトル:装飾多め

『Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no life〜』


最初の「Wit:1」はシリーズものの1番目の作品ということなのですが、初見の人にはあまり意味なし。他のシリーズ作品に「Wit:」が使われているのかというとそうでもなく、シリーズものとしてタイトル形式が統一されているわけでもないので、シリーズのタイトルに使う意味があまりわからないです、はい。


サブタイトルぽい「No pain, no life」ですが直訳が「痛みなくして得るものなし」。スポーツ選手とかが座右の銘にしているので使われがちな英語なのですが、全体的に統一性が見えてこないというか……「もしも願いが叶うなら」単体の方が情報がすっきりする印象。


こだわりを結構感じられる作品なので、タイトルとキャッチコピーもこだわっていそうと思いつつ、キャッチーさや世界観が見えてくるタイトルかというと微妙というほかない……ないんです。


キャッチコピー:言いたいことはわかる

確かに主人公の白は人を斬ったことがある、レベルじゃすまされないくらい人を斬っていることが明らかにされるのですが人斬り少年というのが白という人間を表現するのに適切かというとストーリーを通して読んでいると微妙にしっくりこない。

キャッチコピー通りのストーリーではあるものの、表現としてはずれている、と感じますね。

開き直ってヒロインから出てくる「責任、とってよね……!」のセリフをそのまま使った方がもしも願いが叶うならと一緒で「出た! このフレーズ!」と膝を叩けるのでいいのではないでしょうか。


まぁ、私もタイトルとキャッチコピーのセンスはないのでぐさぐさ今ブーメランを直刺ししていますけども。



2 あらすじ


あらすじ:少年漫画

少年漫画っぽいですね。あらすじの中で「和風なのか洋風なのか近代なのかよく分からない」とありますがわからないというのではなく世界観設定に全ての要素が入っているので全ての要素ありというのが正しいところ。



3 ストーリー


ストーリー:熱さと勢い

王道だったり少年が好きな展開全部のせラーメンデ○ティニーガ○ダム

……すいません変な電波を受信しました。

白が悩むシーンがないというわけではなく、むしろ悩みまくりますが展開は結構スムーズに進んでいくのでグダりそのものは感じづらい。物語上の停滞感を思わせることはあまりなかったですね。ちゃんと修行するし、覚醒もするし、サキュバスの店あるし、叡智エッチな同志(スピンオフで主人公)もいるし、可愛い女の子も出てくるし、魔王もいるし魔王幹部のスライムもドラゴンも黒騎士もいるし、天使もいる。男の子の好きなもの全部詰まってる。


世界観のとっ散らかり感はなく、広大な世界が広がっていくので壮大なファンタジー好きにはたまらないでしょう。


漫画的な面白さが詰め込まれているので硬派な作品が好きな方には向かないといったところ。



4 キャラ


キャラ:因縁

キャラクターそれぞれの関係性や因縁がしっかり描かれているのでキャラクターに魅力を感じやすい。メインキャラより敵キャラの方が好き、という方も結構できるはず。主人公がめっちゃ強くて大活躍するわけでもあからさまなモテモテになるわけでもない(モテてるぽいですが)、その世界で生きている人としての描写をしっかりされている。


読んでる中では黒騎士というキャラが今のところ一番好きなのですが、魔王幹部という立場にいる理由も含めて人間らしさが詰め込まれており、また中二感をくすぐられる戦闘スタイルや性格も相まってとても良かったです。仕事人なのに、ところどころ感情的になるところとか好き。


キャラクター性重視ぽいので小説の書き方的にも漫画的なのが、この作品の良いところと言えますね。



5 世界観


世界観:壮大

宇宙まで行くんじゃないだろうかというくらい要素が詰め込まれています。

ファンタジー部分が好きになってしまうと後々ついていけなくなりそうな感はあります。メインだけじゃなく全体的にキャラクターを好きになれないと最後まで追うのは難しいですね。



6 文章


文章:とっつきやすい

文学的でなく、web小説ならではとも言える、漫画的な表現が多い印象ですね。

読みやすいですし、読み取れる情報が少ないわけではないのでしっかり小説としては成り立っている。表現上で問題を感じるのは若干キャラの強弱がわかりづらいくらい。



7 まとめ

少年の好きなものがつめこまれた作品。熱さあり勢いあり。情熱が注ぎ込まれているので軽めの文章でもあまり軽薄さは感じられない。


技量だけではどうしようもできない部分の魅力は持ち合わせている。人間なので巧いだけじゃ得られない栄養があるんですよね。


おいしい。

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