2024年4月27日 怪文書の真意

 Twitterで私をフォローしている人ならご存知だと思うが、本日、私は朝から怪文書をしきりに投稿していた。


 『#百物語.zip』という形式で、散文でほんのり恐怖を煽るような文章を、箇条書きにして投稿していたのである。


 実例としては以下のようなものだ。



・「だからウチのトイレ使わないほうがいいって言ったのに笑」


・「大丈夫ですよ。こういうのは大体再起動すれば治るんで」


・「いざって時のために、15度の角度でお辞儀する練習しときますか」


・お祖父ちゃんの口座、名義を戒名に変えたらまだ使えたわ。


・その顔はQRコードリーダーで読み取ることができる。


・お湯を入れて五劫が擦り切れるまでお待ちください。



 いきなりなんの前触れもなく、こんな不気味なツイートを連投したのには理由がある。


 単純にそういったホラー創作をしてみたくなったのだ。


 きっかけは、昨夜読んだ小説だ。ホラー界の新進気鋭、梨氏が執筆した『自由慄』という作品である。


 これは一般的な小説の体ではなく、短い文章の断片を継ぎ合わせて物語を象っていた。


 その文章の断片というのが、私の怪文書ツイートのような内容なのである。


 私はこの作品を読んでいたく感銘を受けた。


 元来ホラー小説とは、読者の想像力を掻き立て、その脳内に恐怖の像を植え付けるものである。

 この作品もその形式に違いはないが、その方法が短い文章の断片であることに私は刺激を受けた。


 なんというか、スタイリッシュでカッコいいと思ったのである。


 必要最低限のエッセンスのみで、ピンポイントに読者へ恐怖を植え付ける姿はさながら一流のアサシンを彷彿とさせた。そして大抵、私のような日陰者は、大剣振るう武者よりは、こういったテクニカルタイプの達人に憧れるものである。


 そういう経緯で私も真似してみようと思ったのだ。


 『#百物語.zip』というのは、私なりにその形式に名称を与えようとした結果だ。


 「たくさんの怖い話を短い文章で語っていくよ」というスタイルを言い表したナイスなネーミングだと思っている。


 そして、現時点において35個ほどの断片を思いついたものの、そこで力尽きてしまって今は停止している。


 フォロワーからしてみれば、いきなり怪文書を連投したと思ったら、ぴたりと止んでしまったので、不気味なことこの上ないだろうと思う。


 実際のところ、呪いだとか気が触れただとか、そういう類の話ではまったくなく、単なるむらむらとした創作意欲と怠惰の結果であるということは伝えておきたい。


 あと、インプレッションを見る限りそれなりに見られているはずなのであるが、普段のツイートよりも反応が少なかったのは普通にショックだった。


 こちとら「ひとバズりあるかも」という期待すら抱いていたのに!!!!!!!


 まぁ、「触らぬ神に祟りなし」というやつかもしれない。


 フォロワーのインターネットリテラシー及びオカルトリテラシーが高くてなによりである。

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