2024年4月15日 食事のアンチ

 私は食事というものが嫌いである。


 興味がないのではない。明確に嫌いである。


 なぜ人類は進化の過程で葉緑素を取り込まなかったのかと、遥か遠い祖先に憤りを感じるくらいだ。


 ……いや、美味しいものを食べることは好きだ。

 飲み会や食事会はむしろ積極的に参加したいくらいだし、ヴィーガンでもないから平気で肉もバクバク食べる。


 ただ、それは言うなれば、「娯楽としての食事」である。


 我々の日常において、「娯楽としての食事」はそこまで多くないだろう。


 毎日外食しても懐の傷まないブルジョワジーならともかく、一般人であれば金銭的または時間的な要因から、妥協した食事、エネルギーと栄養素を取ることを目的とした食事、いわば「生きるための食事」が主ではないだろうか。


 私はこの「生きるための食事」が嫌いなのである。


 自炊するのは面倒だし、栄養バランスというものを考えなくてはならないし、食べた後は眠くなるし、かといって食べないと空腹で頭が回らなくなるし……。


 なんでこんな面倒なエネルギー摂取システムなんだ、人体!


 そんな私は、一時期本当に食事というものが嫌すぎて、なるべく人間味のない食生活を送っていたことがある。


 Base foodという完全栄養食のパンを主食とし、栄養を補うためにカロリーメイトのゼリーでサプリを流し込み、腹が鳴ってもコーヒーとお茶を胃に注ぎ続けることでなんとか抵抗していた。


 この試みは完全栄養食によってエンゲル係数が跳ね上がったことで中止になったものの、もしもお金に余裕ができたら、私は再びこの食生活に戻るような気がしている。


 めんどい、食事。

 

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