2024年4月5日 初めての打ち合わせ

 毎日日付もつけているというのに、これまでその日に関係のないエッセイもどきばかりをつらつらと書いていたのだが、今日は珍しく日記である。


 本日、スニーカー文庫編集部の担当編集さんとの初打ち合わせがあった。


 受賞作品を商業作品として売り出すための改稿会議とも言える。


 正直なところ、私はひどく怯えていた。


 なぜならば私の作品はメタフィクションというニッチもニッチなジャンルである。


 出来に関してはそれなりに自信のあるところだが、「でもこれ若者向けのライトノベルの内容じゃないよね」と言われれば、小さく「ハイ……」と頷いてしまう内容である。


 私が最も恐れていたのは、内容もタイトルも雰囲気がガラッと変わってしまうことであった。


 私は自分の創作スタイルと作品に、それなりに誇りを持っている。

 

『僕はライトノベルの主人公』という作品は、足掛け5年もかけて執筆した愛しい我が子だ。難産であっただけ、愛着というものが湧いている。


 そんな愛しい我が子が鬼編集の手によってもみくちゃにされた挙げ句、原型を留めていないほどのタトゥーを刻まれてしまったらどうしよう……と、さながら心境は上京した愛娘を想う過保護な父親そのものであった。


 杞憂であった。


 編集さんはニコニコ笑顔の似合う優しい方で、私が本文のどこにも書いていなかった登場人物の設定を早口で伝えると、「それは面白くなりそうですね」と理解を示してくれたのである。


 無論、「このまま出版しちゃいましょう」と輪転機へドナドナされるほど、私の作品は完璧ではない。


 いくつか改稿案はいただいた。

 そのどれもが私自身うっすら感じていた粗であり、指摘されるのはもっともであった。

 むしろ、私の脳からは決して生み出されることのないアイディアもいただいてしまった。


 アドバイスの詳細についてはここで話すことはできないが、決して、私の意見に反したものではないということだけは伝えておこう。


 これからじっくりと時間をかけて、改稿作業へと移る。だが、今カクヨムに掲載している原案よりも確実に面白くなるであろうという予感はしている。


 読者諸君! 期待して待っていてくれ!


 そして、発刊された際にはぜひ購入して私の懐を潤してくれ!


 本当にお金がないのである。



 最後に、頂いた改善点の中から、1つだけ「読めば誰でもそう思うだろ」というものがあったので、ここで紹介しようと思う。


 編集さんは言った。

「あまりにハルヒすぎますね」


 まったくもってその通りだと思った。

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