プロローグ

 ある女子バスケット部に、心がとても穏やかな少女がいました。

 その少女は、お人よしの性格から、みんなに雑用を押しつけられ、次第には小さないじめになりつつありました――。


 その、つらい境遇の中で出会ったのは、たった一人の男子でした。


「俺の前では無理しなくていいからな」


そんな甘い言葉をかけられたら、きっと誰だって恋に落ちてしまうはず。

その少女も、例外ではありませんでした。


 しかし、そう励ましてくれていた男子も、何か大きなものを抱えているようで……?


お互いを強く思うからこそ、すれ違ってしまった、二人の恋の行方は……?


 天涯孤独、そして天下一のお人よし。

     『風間 葵』

       ×

 顔、成績、性格、すべてにおいて完璧。

 でも実は何か暗い闇を抱えているようで……?

     『山崎 悠河』



 あの夏、すべての想いを君に。

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