第2話 魔法学校に早速入学だ!
そして学校に入ると、入口に早速学年順で生徒表が貼られていたので、俺の名前を探してから教室に向かう事にした。
「お、あったあった、俺は...六組か...というか...爵位持ちの家だからって特待生とかいう組み分けにされないんだな...いい学校だ...」
それから俺の名前が書いてあったクラスの教室に向かってから扉を開けると...
「はぁ...?誰もいないんだけど...」
中には人っ子一人おらず、授業の教材が机に置いてあるだけだった。
「でも今日が入学式のはずなんだけどな...」
そう呟いた瞬間、「ウォォォォ!!!!」と闘技場の方から大歓声が聞こえてきた。
この学校に闘技場がある事は学校に来た時から見えていて、学校よりもデカイんじゃないかと思って、すぐに目に付いた。
「うるっさ!!何だ急に!」
この歓声に困惑しつつも、とりあえず闘技場に向かう事にした。
そして闘技場に着いてから真ん中を見ると、生徒同士が魔法での決闘をしていて、他の生徒が外側の席でそれを観戦していた。
「今日ってこんなのあるのか...?」と疑問に思ったので近くにいる先生に聞くことにした。
「すいません、少しいいですか?」
「ん?なんだ?」
「これって今何をしてるんですか?」
「ん?これは...って君...新入生か?」
「あ、そうです...」
「そうだったか...なら今からこの決闘の名簿の中に名前を書くが...よろしいか?」
「え?これって決闘なんですか?」
「ああ、これは新入生を歓迎する為の決闘でな、入学式をする前にこの決闘で新入生の強さを一体一で戦わせてから見るという、この学校が出来てから毎年やっている伝統の儀式なのさ。」
だから入学式なのに教室に人っ子一人いなかったのか...
「これって途中から参加出来るんですか?」
「ん?新入生を歓迎するための決闘だからな、途中からでも参加は出来るが...君、何組だ?」
「お、俺は六組です...」
「お、ちょうどいいじゃないか、今は五組の最後の方でね、六組はまだ始まってないから入れようか...名前を教えてくれないか?」
「あ、カリスと申します!」
「...よし、入れておいたから観戦しておくといい。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
「うん、頑張ってくれ!」
そう言ってその先生は立ち去って行った。
本当に優しい先生だったな...
遅刻した身でもこんなに優しくしてくれるなんて...こりゃあ頑張らないとな...
というか入学式の前にやるんだ...
「というか俺...魔法って使えるんか...?」
転生した時から思っていた事だったが、転生してから三秒で王都に来て、来てから遅刻して、それから闘技場に来たから確認のしようがなかった。
「でもまあ...出せはすると思うんだけど...相手に勝てるかが心配よな...」
【Quest】前世の知識をフル活用して、少しだけ炎魔法を出してみよう!
「えーっと...体の力を抜いて...頭の中で念じて...「
「
魔法の基本は五大魔法という五つの魔法から作られており、炎、水、風、地、雷の五つで、ここから派生して色々な魔法が作られることもある。
「転生しても以外と魔力は残ってる方なんだな...これは前世の魔法も色々と使えそうだ...」と呟いている時に、「さあ!新入生歓迎の伝統の決闘も最後の方に差し掛かってまいりました!続いては...!六組の決闘だあ!!」と解説であろう女の子が叫んでいたので、俺は急いで闘技場に戻ることにした。
「はぁ...はぁ...間に合った...」と闘技場の入口に戻ると、入口にいた先生に、「ん?カリス君かい?」と聞かれたので、「は、はい!」と元気に答えてから、「今から試合だが準備は良いか?」と聞かれたので自信満々に「良くないです...!」と言ってやった。
ちなみに先生には苦笑いされた。
そして闘技場の真ん中に繋がる入口に立つと、鎖で縛られた扉が大きい音を出しながら開き、対戦相手が出てくる...
「ん...?対戦相手は?」
...と思ったのだが、何分待っても全く出てなこない。
「え...?対戦相手の方は...?」
解説の子も試合を進められないので混乱している様で、何か話している様子が見える。
そして俺も対戦相手が居ないと暇なので下から席を見てみると、生徒が座っている席より上の席に一人の大きい帽子を被った女性が座っている。
(あれは...校長か?)
だが...校長というには若すぎる。
外見は美しい顔とスラッとした体、そしてダボッとした服と大きい帽子を付ける、如何にも魔女と呼ばれるにふさわしい服装であった。
そして...魔力が尋常じゃなく多い。
ゆうに数十メートルは離れているであろう俺にもひしひしと魔力が伝わってくるのだから、その魔力の多さが分かると思う。
すると、さっきまで話し合っていた解説の女の子が話をし始めた。
「え、えーっと!ただいま調べましたところ、対戦相手の方が熱を出していたことが判明しましたので、一回戦はカリスさんの勝利となります!」
熱...氷を頭に付ければ以外とすぐ収まると思うのは俺だけだろうか?
というか入場の時に名前呼ばなかったのに判定の時は言うんか...
まあそんなことは些細な問題だ。
今考えるべきは...あの強そうな女の人である。
俺は昔から強い人と戦いたいと思う性格で、小さい頃はそこら辺のゴロツキに喧嘩を挑んでボコボコにされたものだ。
とりあえず闘技場にずっと居ると邪魔になってしまうので席へと移動することにした。
正直言って、俺はその後の試合なんざ一つも見ていなかった。
あの人と戦ってどうしたら勝てるのかを頭の中で模索している内に、試合は全て終わっていた。
そして闘技場から去ろうとした瞬間、解説の女の子が言った。
「さあさあ!最後はこの学校の校長である、シルファ・グレイス様とのお手合わせでございます!誰か志願する人はおりませんでしょうか!?」
「シルファ...?」
そう、解説の女の子が言ったこの学校の校長の名前は...俺の生涯たった一人の弟子の名前だった...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます