第2話 王命
俺は帝国を守る最強の騎士。
国のために血を流し、国のために努力してきた
そして、今日新たに王命を承った
「我が国が誇る最強の騎士ジークよ。
そなたに我から王命を与える。」
未知の樹海への遠征か?それとも最近見つかったと噂される太古の遺跡の探索か?
ドキドキしながら王の言葉を待つ。
そして、威風堂々した、王より言葉が贈られる
「騎士ジークよ...。」
「育休をとるのじゃ!!!!!」
王が高らかに命令を降すと大臣たちが大きく手を叩く
「.....。」
「ジークよ!聞いておるのか?」
王から声をかけられる
「恐れ入りますが、もう一度お願いします」
聞き間違いかと思い、もう一度聞き直す。
「ちゃんと聞かぬか!!育休をとるのじゃ!!」
またまた、大臣たちが手を叩く、それを制止し
王が続けて喋り出す
「ジークよ、今の国の現状を知っておるか??
出生率は下がり、このままでは国の存続の危機なのじゃ!
国の出生率を上げるために、国の象徴である主が育休をとることで全員が取りやすい環境をつくることにした!!」
またまた大臣たちが手を叩く
「騎士ジークよ、もうすぐそなたの最愛の妻ナタリアが出産を控えているであろう」
1人の大臣が喋りだす
「そなたは子育ての大変さを知っておるか??
女の人はドラゴンに体当たりされたぐらいのダメージをおったまま、夜も満足に眠れず何ヶ月も過ごすのだよ?」
「分かってはいますが、国の最強の騎士として、私にも国を守るという使命があります。」
ジークが反論する。
それを抑制するように王が声を荒げる!!
「ばかもん!!愛する人を守れぬものに国を守ることなどできるか!!」
続けて王が喋り出す。
「ジークよ。後悔しても遅いのじゃ...
そのときは2度と戻って来んぞ?
確かに仕事は大事じゃ、しかしそれ以上に愛するものはもっと大事ではないか??
しかしそのために仕事を頑張るという意見もある、でも、大変な時に仕事をとり、稼いだところでそれが続かなきゃ意味ないであろう。
大変な時を一緒に過ごすことで、その人たちのために今後も頑張ろうと思えるのではないか??」
王の言葉に何も言い返せずただ考えることしかできなかった。
帝国最強騎士の育休ライフ ろろとと @akahiso
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