ぽつり ぱたり ぽつり ぱたり

小さなしずく 大きなしずく

わたしのかわいげのない手に落ちてくるけれど

このしずくたちはどこからきたのかしら

エベレストの雪が溶けた水かもしれないし

そのへんの用水路の水かもしれないし


また


ぽつり ぱたり ぽつり ぱたりと

わたしのまるい頬に落ちてくる

冷たくて 気持ちがいいの

友と歩く通学路

傘をさすにはせまくって

教科書が濡れることもわすれて 走って門を抜ける

たくさん髪にくっついたスワロフスキー

なでると消えて これをかわいいねと笑いあった小学校時代


雨が降ればかなしくなる人もいるけれど

短い人生の中で晴れていることなんて なかなかないんだから

雨でも なんでも

ちいさな 「かわいい」 を

みつけられたらいいのよね

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私の詩集 弥生ホノカ @honomaru_0523

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