ぽつり ぱたり ぽつり ぱたり

小さなしずく 大きなしずく

わたしのかわいげのない手に落ちてくるけれど

このしずくたちはどこからきたのかしら

エベレストの雪が溶けた水かもしれないし

そのへんの用水路の水かもしれないし


また


ぽつり ぱたり ぽつり ぱたりと

わたしのまるい頬に落ちてくる

冷たくて 気持ちがいいの

友と歩く通学路

傘をさすにはせまくって

教科書が濡れることもわすれて 走って門を抜ける

たくさん髪にくっついたスワロフスキー

なでると消えて これをかわいいねと笑いあった小学校時代


雨が降ればかなしくなる人もいるけれど

短い人生の中で晴れていることなんて なかなかないんだから

雨でも なんでも

ちいさな 「かわいい」 を

みつけられたらいいのよね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る