親友の知られざる一面
「最近さぁ、琥珀がなんかよそよそしいっていうか…しゅきしゅきだいしゅき♡♡ってのを感じないんだよね」
「何?しゅきしゅきだいしゅきを感じないとか初めて聞いたんだけど」
しゅきしゅきだいしゅきはあれじゃん…なんか、あの、うーん・・・。まあ、抱いて?みたいな雰囲気?要するにもっと甘えてくる感じを表現してるというかなんというか。
「まあとにかく!なんか様子がおかしい訳よ!」
「はいはい。で?その原因に心当たりは?」
「無い!」
本当にこれといって原因らしきことが思いつかない。私なんかした?してないよね。した事と言えばたっぷり愛を注いだだけだし。……え、それが嫌だったとかない…よね?流石にないよね。うんうん。で、でもえっち関連とかのシビアな問題で別れたりするカップルも少なくないって聞くし…
ど、どうしよ…流石に大丈夫だと思いたい。まだハードなプレイとかしてないし嫌がってる感じも無かったからきっと違うことのはず。
「んー、じゃあよそよそしくなった日にいつもと違うことがあったりした?」
「よそよそしくなった日?いつだったかな…あー、あの日かも。なんか放課後に用事があるって言ってた日があったはず。確かその後からなんか態度が変わった気がする」
「放課後ねぇ、てことは、その日に告白でもされたんじゃない?」
な、なぬ!?告白だとぉ?私の琥珀に手を出そうとは…私の彼女であると知っての狼藉かぁ!?
「あの子は元々結構モテてる訳だし、実際あんたと付き合う前にも何度も告白を受けてるわけだからね。付き合ったことが学校中に広まった訳でもないんだから、告ってくるやつは居るでしょ」
「な、なるほどね。まあ、それは仕方ないとして、問題はなぜ告白を受けたからと言って私に対する態度が変わるかって事だよ」
「あ〜。今からは完全に私の想像なんだけどね?告白されて、いつも通り断る。すると相手の男は断る理由を聞いてくる。あの子は正直にあんたと付き合ってる事を言う。そしたら、恐らくそれを非難するような言葉を投げかけられた。女同士はおかしいだろ的なやつかね。…あの子の心の傷は結構深い。あんたのおかげで多少緩和されてるけどやっぱり直接言われればダメージを受けるよね。それによってどんどんネガティブな考え方に陥って…最終的にあんたにも迷惑がかかるんじゃないかって考えに辿り着いたんじゃないかな?このままでいいのか…離れた方があんたのためじゃ無いかって葛藤してるって所かなぁって思ってるあくまで推測ね」
……なるほどね。女の子同士で付き合う事への躊躇いはもう無いものと思ってたけど…楽観視し過ぎたか。全く…とりあえずその男は本気でボコボコにしてやるとして…琥珀の方をどうにかしなきゃね。もし本当に私と別れた方が良いとか考えてるようなら…分からせてあげなきゃね、私の愛がどれほどのものなのかを。
「にしても…柚希、観察眼つよつよ過ぎじゃない?どこで鍛えたんだってレベルだよ」
「ん〜?相手の事をよく観察するのは相手を堕とすために必要なプロセスだからね。少し観察してれば相手の好みとか位ならすぐわかるし、欲求不満そうだなぁとか分かるから鍛えといて損は無いよ」
……え?待て待て待て。堕とす?欲求不満?欲求不満そうなのを看破してどうするの?何?そんなの普通でしょみたいな顔して。一応聞いとくか…
「柚希って恋人って居るの?」
「何言ってんの、居るわけないじゃん」
「だっ、だよね〜!!…ち、ちなみに経験人数とかは…男女含めてで良いよぉ…?」
「男はほぼ無いけど…女の子はちょっと覚えてないかな。クラスの子はだいたい食べちゃったし」
「は?いや、は?え、嘘でしょ。めっちゃ女遊びしてんじゃん!!いつの間に!?クラスの子殆どヤられちゃってんの!?何それ!そんな話聞いたことないんだけど!」
「まあ、言ってないし。あと、遊んでる言うのとかやめてくれる?私はただ、ちょっと声掛けて同意の元してるだけだから。大抵一夜限りだけど、相性良ければちょっと関係を継続したり…みんな、他の人が居ることは承知の上だから」
「…れっきとした遊び人じゃん…。近くにこんな人がいたなんて…こわぁ。てか、私誘われたことないんだけど、なんで?親友と〜なんて結構夢のある展開じゃない?」
「あ〜、私もそう思ったんだけどね?なんか、昔からずっと一緒にいるからか、あんたに欲情出来ないんだよね。対象外ってやつよ」
な、なんかムカつくんだけど。いや、誘って欲しかった訳じゃないけどさ、クラスの女の子が殆ど関係持ったことがある中私は対象外ですってなんか複雑。まあいいんだけどさ。
「はぁ、私の事より、あの子のことどうにかしてなくていいの?」
「そうだった。あまりに衝撃的な親友の性事情のせいで忘れかけてた」
そう、この際手段は選んでいられない。別れるなんて認められるはずがない。実際のそう思ってるのかはまだ分からないけど、そうなら思い留まらせなきゃ。
待っててね、今行くから。
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