第4話 自分という神(本物の自分)になり切った人たち
○ コギト‐エルゴ‐スム【cogito, ergo sum ラテン】
デカルトの有名な命題。「我思う、故に我あり」の意。
ただし、ラテン語は別人による訳。
すべてを疑うことで確実な第一原理を求める方法的懐疑で、唯一疑いえないものが「考える我の存在」とされたが、その意味については今日まで多様な解釈がある。 広辞苑 第七版 (C)2018 株式会社岩波書店
彼女たちは、我思わずして(特に意識しなくても)、しっかりとした我を把握している。
だから、
→ 真剣勝負の心で取り組める(格好をつける必要がない。素のままの自分でものごとにぶつかれる)。
偽名という仮面をかぶって生きる在日韓国人や、警察手帳という権威の殻の中で名無しの権兵衛として生きる日本の警察官にはない真剣さがある。
→ 真に熱くなれる(集中力)
→ 真に現実の存在感がある(偽物ではない)
これも、在日や警察官にはない存在感。素のままで存在できる真の強さ。
→ 真の個性(自分の魂のスタイル)がある
「Every great artist has a distinctive style.」
偉大な芸術家はみな独自のスタイル(様式)をもっている。
→ 真に謙虚な心 humilityとmodest
「神の味噌汁(神のみぞ知る)」と、会社員時代の上司(上智卒)は言いました。
人間同士でああだこうだ言って横並びにするということではなく、「神の前ではみな平等というシンプルな平等意識」由来の謙虚さ。
○ 無意識の意識 → 意識しないで意識して(間違いなく・あやまたずに)行動できる。 → これこそ茶道で求められる、究極の(心技体の)姿。特に「岡崎&谷」コンビには、茶道の宗匠の趣があります。
「おまえに茶道の宗匠を語れる資格があるのか ?」
京都大徳寺の雲水時代、私はある時期、三千家で毎月お経を読み、その際、読経後の茶礼で各家元にお目にかかり、その歩き方や素振り・話しぶりを拝見させて戴きました。たとえ5分~10分くらいとはいえ、本家本元・本物に接したことがあるので、私に茶道の嗜みがないとはいえ、その趣というものは、ごくごく僅かとはいえ知悉しているのです。
○ 矛盾の解消 → 戦争(の心)と平和(の心)の共存
○ 形而下の問題を形而上の思惟によって解決する力
ものごとの姿形に惑わされず、引きずられずに、芯(核心・胆・根本)のところで問題を解決する。
勝つための技とか、試合運びのための(小手先の)技術を使わない。
全身全霊で前へ出て、心で闘っている。まさに闘志・闘魂。
「頭で考える」という戦い方ではない。もちろん、練習の時には考えに考えて戦うのでしょうが、「本番」では無念無想・一意専心・無我夢中(の境地)。
① YouTube「2017全日本学生拳法個人選手権大会 女子の部準決勝戦 岡崎VS谷」
https://www.youtube.com/watch?v=O7kumnslLns
② YouTube「2019年 第32回 日本拳法東日本大学リーグ戦(女子)
【明治大学永岡里沙子-学連選抜高橋】
https://www.youtube.com/watch?v=zOGwTaiEymM
「岡崎&谷」に比べれば、10年選手と2年選手という「年季の違い」こそありますが、その属性は同じ在来種純粋日本人のものです。
③ YouTube「Thi Minh Huyen Tran 28th SEA Games Singapore 2015」
ベトナム人Thi Minh Huyen Tran さんの、2015年第28回SEA Games in Singapore WUSHU(武術の中国語読みウーシュウ)に於ける太極拳の演武。46分頃 https://www.youtube.com/watch?v=Oz4pfvb0Uzk
Thi Minh Huyen Tran さんの太極拳においても、上記、大学日本拳法に見る属性と特性は全く同じです。
一神教のキリスト教やイスラム教と違い、在来種純粋日本人は八百万の神ですが、太陽のような大自然や自然のサイクルを神と考える、という点では同じでしょう。
一神教では、天皇のような「ネオンサインの神(サイモンとガーファンクルの歌「Sound of silence」)」を神とは考えないのですが、在来種日本人の私も、朝鮮渡来の天皇とは、ただの作りものの権威であり、私としては太陽に対するような畏敬や尊崇はできません。
しかし、上記5人の女性に関しては、各人がその内なる神性(divinity・神性・神格)に至るほどの気迫・気高さを、彼女たちの戦いぶりに見ることができました。
人間によって作り出される空虚な権威やネオンサインの神ではなく、現実に汗水流して戦う真剣勝負の心に「真の神を見た」のです。
2024年3月29日
V.1.2
平栗雅人
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