【実話黒歴史】達人は無意識でも闘争本能で戦えると聞きました(かっこいい)

だぶんぐる

無意識

君は無意識になったことはあるだろうか?



無意識とは、

① 意識のないこと。 気を失うこと。 ② 自分が自分の行為に気づいていないこと。 はっきりとした自覚なしで行動すること。


らしい。


私は、昔とあるアニメで無意識状態になっても闘う意志を持ち続け戦った男を見て思った。


私もこうなりたい、と。

意識を失っても、それでも戦う意志だけは手放さず、もしくは、戦いの記憶のみで立ち上がる。


気も念も魔法も使えない私だがこれなら出来るんじゃないか。


そう思った私は、次の日の小学校で、友人に告げた。


「ちょっと吹っ飛ばしてほしい」


なんだちょっと吹っ飛ばしてほしいって。

今の私ならそうツッコめる。だが、当時は無意識状態に突入したいが為にツッコミノーガードフレーズへのツッコミ意識すら皆無。


いぶかしげな表情オンザ友人、遠慮がちに私をとんと押す。


ダメだ、この程度の威力では意識を失えない!


そう考えた当時の私は、床を強く蹴り、押された十倍の力で吹っ飛んだ。

ただし、後方の安全を確保して。

当たり前だ。

机や椅子に当たったらマジ痛い。


私は無意識状態になりたいだけで、その無意識で戦う男のようにボロボロになりたいわけではない。まあ、服だけなら袖くらいとれてもかっこいいから私は構わないが、痛いのはいやだ。


なにはともあれ、大きく吹っ飛び床にやさしく倒れ込む私。

そして、私は意識を手放す。




その時の友人は当時の様子をこんな風に語っていた。


軽く押したのに急に吹っ飛んだ私。驚き近づくと、私がゆらりと立ち上がった。

目は閉じており、手は力が入っていない様子。明らかに普段と違っていた。

大丈夫かと心配すると、私は目を閉じたまま驚きの行動に出たという。


「ム、イ、シ、キ、ム、イ、シ、キ……」


うわごとのようにこの言葉を繰り返し、友人を追いかけたらしい。


そして、暫くするとハッと目を開き、友人に問いかけた。


「今、意識が無かった。何か言ってなかった?」


友人が私の呟いていた言葉を告げると、私は目を見開き、己の両手を見てわなわなと震えた。




そう、完全なる無意識状態。


と、当時の私は思っていた。


なんでやねん。


と、今の私は思っている。




今でも友人たちとは仲良くしているが、誰もあの日の事は話さない。


私が忘れたくても忘れられないあの忌まわしき出来事をみんなは忘れてしまったのかもしれない。


たのむ、そのまま忘れていてくれ。


ただ、もし覚えていて、気を使って話さないという事実が判明すれば、


気絶する。

そして、うわごとのように「ムイシキムイシキ……」とつぶやき応答不能になるだろう。














と、ここまで何か書いていたようだが、私は何を書いていたのだろうか。


無意識で書いていたようだ。


戻ってはいけない気がする。


上に妖気を感じる。もしくは、パンドラの箱の気配。特急呪物のかほり。


とりあえず、


酒を飲んで意識と記憶と一度失い、封印しようと思う。


おっと、いつの間にか右手にグラスが……。

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【実話黒歴史】達人は無意識でも闘争本能で戦えると聞きました(かっこいい) だぶんぐる @drugon444

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