第6話 六つ目、北日本文学賞に応募した

 何を狂ったのか、純文学に挑戦しました。


 梶井基次郎の『檸檬』という小説を読んだばかりで、面白かったので、本屋で爆発だ! みたいな小説を書いて北日本文学賞に送りました。


 結果は一次選考落ち。まあ、MF文庫の新人賞の一次予選すら通らない私に、純文学は早すぎた。というか、純文学って、今までにない新しい何かを求めているのに、レモンをパクった私に、下読みを突破する資格はなかった。


 純文学、難しい。


 近年、20年間、ラノベのワナビをやってきた『ハンチバック』の市川沙央さんが純文学で大成功をおさめ、カクヨムの黒歴史イベントの審査員になっていた。私も障がい者だし、障がい者小説を純文学風に書こうか迷っている。私はもう32歳になる。


 それでも、面白ければ何でもあり! のラノベやウェブ小説が捨てられないので、やっぱり10代向けのファンタジーを書いてしまう。


 とにかく得意なジャンルを一つに絞らず、これを読んでいる読者様には、いろいろ挑戦してほしいです。


 私は、ファンタジー中心だけれども、純文学を書いたり、ミステリーを書いたり、した。なんちゃってSFを書いた時もある。ラブコメや学園恋愛も書いた。


 結果、すごく面白くて良い経験になった。


 まあ、ミステリ界隈やSF界隈は化け物が大勢いるので、新規には参入しづらい。


 たくさん書いて思ったことは一つ。


 人の悪口は書かないようにしよう、だった。


 昔、グロテスクな小説を書いた人が、グロテスクな死に方をして、小説で書いたものは自分に返ってくる、という謎の信仰を得た。以来、人が簡単に死ぬといったR18並みのグロテスク展開は書かないようにしている。虚淵玄は好きだが、安易に人が死ぬ小説は嫌いだ。死ぬならば天寿をまっとうして老衰で死にたい。


 話は元に戻る。


 北日本文学賞は、一番偉い審査員に、宮本輝さんをお招きしている。


 宮本輝は、芥川賞か直木賞の審査員を務めた先生で、国語の教科書で読んだことがあるくらいすごい作家。


 私は、真冬の大雪の中、宮本輝先生の講演会を富山市まで聞きに行った経験がある。生まれて初めて、生のプロ作家を見て、涙を流した。まあ、だからといって私の文章力があがるわけではないけれども、プロの作家はやっぱり存在しているんだな、と感嘆した。当たり前の話だが、本屋に売られている分、無数の作家が存在する。


 一発屋の小説家もいれば、宮本輝みたいに生涯現役のすごい人もいる。多くは東京に生息しているので、地方にも、もっと多くのプロ作家がいても良いのではないか、と思う。まあ、出版社が東京に点在している関係上、プロ作家の皆様は東京の近くに住むのは道理なのだが。漫画家も編集者に会うため、多くは東京にいる。


 宮本輝の講演会の帰りに本をたくさん買った。北日本文学賞の受賞作をおさめた本だった記憶がする。宮本輝のサイン入り本も買った。まだ読んでいない。


 文学ってものは、よくわからない。詩作や歌詞も文学に分類される。


 面白い小説が書きたい! ――私の夢だ。


 『面白い』とは、読ませる小説のこと――もし、読者様が第6話のここまで読まれているのであれば、それは『面白い』ウェブ小説が書けている証左かもしれない。


 本当にありがとうございます。


 面白ければ、たしょう文体が崩れていようが、間違っていようが、構わない。


 魂を揺さぶる。読者様の心に響く、面白い何かを私は書きたい。


 今の目標は、ワナビを20年続ける、だ。あと6年間。コツコツと面白いWeb小説を目指して、定期的に執筆しようと思う。1年間、まったく書かないスランプを経験しつつ、18歳から32歳の今まで頑張ってきた。38歳まで突っ走ろう。


 たぶん、まだ、商業作家にはなれていないと思う。アマチュア最高!


 

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