21 黒幕っぽい敵、案の定変態だった(n回目)
「ホーミング!?」
わたしの視界外から飛び込んでくる、無数の魔法散弾。
「でも余裕で避けられr――」
退避体勢に入ろうとしたわたしだが、めり込みそうなくらいで掴んでくる男がいた。
「あんたは早都とここで死ぬのよ」
「やだよ!!!」
早都の馬鹿力に邪魔され、わたしは逃げられず。
どかん!!!!
見事に、ホーミングを喰らった。
「いたたたた……」
節々の痛みを感じながら、わたしは何とか立ち上がる。
「あぁ……服が……」
爆発の火力で、わたしの服は水玉模様みたいに所々が破れていた。
「んーwww」
「リカちゃんのラッキースケベですなwww」
「食べちゃいたい」
「チーズケーキかな?」
「リカちゃんのどこがチーズの匂いするか当てようぜ」
それを見た観客が、口々に欲情している。
……最後の奴に関しては将来犯罪者になる気配すらある。なんて失礼な観客どもだ。
「え?もっと見る?抱く?」
―――けど、まぁわたし的には嬉しいですよねー!!!
「「「いや、いいっす……」」」
「は?」
「自分から脱ぐ変態はちょっと……」
「ビッチは趣味じゃないんで」
「いい匂いはタイプじゃないんで。もっとクサくなってから出直してきてください」
「カス」
歓迎ムードの中観客の方に駆け寄ったのだが、女を見る目が無い童貞共はわたしを拒否してきた。
「じゃあ力づくで襲う」
「「「ファッ!?」」」
そんな分からず屋共に制裁を喰らわせるべく、わたしは己の拳を握り込み観客に殴り掛か―――
「「「「「リカ様ストップ!!!!」」」」」
―――る直前、5人の肉壁によって妨害され、シバく事は出来なかった。
「えーと、あなた方は」
そのローブを被った5人の肉壁は、こちらに振り向き、丁寧にお辞儀をしてから口を開く。
「お初にお目にかかります!我らの名は」
「「「「ヒロピン愛好会です!!」」」」
「あー…………変態しかいない…………」
そしてよく見ると、ご丁寧に5人全員涎まみれだった。
「我々にとっては、今のリカ様の状況が一番クるのです」
「はぁ」
「戦闘ヒロインが敵の攻撃でピンチになり、傷ついている姿がなんとも愛らしいのです」
「あぁ」
「攻撃を受けても尚、傷だらけになっても尚立ち続ける高貴さが尊いのです」
「そうですか」
「自分で傷つけるなど言語道断。味方や無罪の人々を傷つける姿も見たくない。その為我々、仲裁に入りました」
「行動が褒められても、理念は全く褒められないと思うんだけど」
「だから、リカ様の所の自傷癖クソ女は我々の不倶戴天の敵なのです」
「敵にしないほうがいいと思うよあの人は……」
男女混合のローブ変態集団は、わたしを取り囲む。
「……で、何がしたいの」
「と、いいますと?」
「さっき攻撃してきたの、貴方たちでしょ?」
それは即ち、警戒のスイッチを入れなければいけないことを意味していた。
「……お見通しでしたか」
「だってさっきのホーミング、5箇所から弾出てたし。しかも瞬間的にわたしの前に飛び出して肉壁になれるってことは、相当な手練れじゃないと無理」
「さすがの洞察力でございます」
「まあ単純に考えて、貴方たちしか容疑者がいないってこと」
おそらく、ヒロピン愛好会の5人組が今回の黒幕。
早都を唆してわたしを呼び出し、囲んでボコるのが目的なのだ。
「ふっふっふ………」
「何がおかしいの」
「「「「ふぉっふぉっふぉ…………」」」」
彼らは、博士みたいな笑い方をしながら異空間ポケットに手を突っ込み、わたしとの距離を詰めると―――
「撮影会でございますぞ!!!」
「「「「やったー!!!!」」」」
「あー…………」
照明・カメラ・その他撮影機材を異空間から取り出し、はしゃぎ始めた。
この世界の住人っていっつもそうだよね。バカしかいないね。
「リカ様ほらムスッとしない!!もっとそそる表情をしてください!!」
「はぁ」
「いつもみたいに淫乱な表情でもいいんですよ!!」
「他人から強制されても興奮しないんだよねぇ……」
「あーその呆れた表情もいい!!素敵!!」
「「「「可愛いですぞ!!!!」」」」
「えー、照れちゃうなぁ~」
「天才!」
「美の女神!」
「エロの権化!」
「恥ずかしさは河原に捨ててきた!」
「親御さん泣いてるけど大丈夫!?」
「みんな沢山褒めてくれんじゃん~!!」
訂正。こいつら大好き。めちゃめちゃ褒めてくれる。好き。
《わらわ的には貴様がいちばんバカだけどな?》
黙っててよクソ女神。登場頻度少ない癖に毎回わたしのことディスりやがって。
「いやぁ、二条様にお誘いいただいて良かったです!」
「え?早都が?」
「そうです!二条様が、ホーミング攻撃の発案をされまして」
「じゃあ、黒幕は……」
「はい!あそこに惨めにも転がっているかませヒーロー様でございます!!」
哀れ二条早都。
必死の思いで策を弄し、それが成功したにもかかわらず。
彼は、わたしにも、仲間にも、観客にも注目されず、パンツ一丁の姿で放置されていた。
当然意識などないし身体は傷だらけだったが、誰も助けるそぶりは見せていなかった。
黒幕の、凄惨な末路であった。
うーん。
「ま、いっか!」
「「「「「そうでございますね!!」」」」」
正直、アイツのことを気にしたら負けだね!!
男だけど悪の魔法少女になった。しかもお色気担当だったのでヒーローを誘惑することにした。 新城鍵 @natsume-natsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。男だけど悪の魔法少女になった。しかもお色気担当だったのでヒーローを誘惑することにした。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます