第3話 僕が、プロデュースする!
「夢咲さん。そろそろHR始まるしここで勉強終わろっか」
「やっと終わる〜!やった〜!」
「あれ?夢咲さんじゃん」
喜ぶ姿の後ろに聞き覚えのある女が立っていた。
「環奈、、、」
そうそこには夕陽 環奈さんが居たのだ。
夕陽に照らされたかのような明るい笑顔に明るい髪色、こんな明るい彼女が裏では陰湿なイジメを夢咲さんにしている。
「久しぶりじゃん!夢咲さん。なんで来なくなったの?」
「それは、、、まぁ、、、」
「何か言えない事でもあるの?えっ、もしかしてもしかして、その黒い上靴が原因〜?」
「そう、、、、そうなの、、、」
「お父さんにでも買ってもらいなよ〜!あっ、でもごめん、夢咲さんお父さん居なかったね〜!ふふふふふ」
「そう、、、、だね、、、」
「夕陽さん、、これ以上夢咲さんに喋りかけないでもらえるかな?」
「え?なんで?碧星君?」
「夢咲さんがこんなにも嫌がっているじゃないか!これ以上嫌がらせやいじめと見られる行動、言動があれば学級委員長として許しません」
「急にどうしたの?碧星君!もしかして朝悪いものでも食べちゃった?あっ、でも悪いものはすぐ隣に居るか!ふふふふ」
「夕陽さん!」
その時チャイムが教室へと鳴り響き先生が教室へと入ってきた。
「じゃあね?夢咲さん。また休み時間にでも話そーよ?」
「はいそこの女子!早く席に座りなさい」
「はーい」
先生に注意された夕陽さんは自分の席の方へと戻っていった。
そこからは普通の学校生活へと戻った。
授業でクラスを移り変わる時も僕は夢咲さんから離れる事はなかった。夢咲さんが動くたびに夕陽さんはなんとかして夢咲さんに近づこうとする。余程何か夢咲さんに恨みや嫉妬があるのだろう。まぁでもなんとか昼ごはんの時間まで夢咲さんを守れた。はぁ、、、まだ昼なのに凄い疲れを感じる、、、まぁ、いいや昼ごはんを食べよう。
「夢咲さん、屋上でご飯一緒に食べよう?教室で食べたら、夕陽さんに何されるかわかんないし」
「そ、、、そうだね。屋上で食べよっか」
朝の元気なテンションから一転して今では人が変わったように物静かになっている。なんだか、僕は自分が許せなくなった。学級委員長は学校を楽しく快適な場にしないといけない。なのに僕は目の前の夢咲さんに苦しい思いをさせている。僕はなんで一学期に夢咲さんへのいじめに気づけなかった。夢咲さんと関わってたらいじめを止めれたんじゃないか?自責の念が僕を強く襲った。
「碧星君?ぼーっとしてどうしたの?着いたよ?屋上」
「あぁ、、、、ごめん。ちょっと考え事してた、、、」
「そう、、、」
僕のテンションが下がってるのが夢咲さんに伝わってしまったみたいだ。夢咲さんに自責の念を抱かせるのは絶対駄目だ。学級委員長の僕がテンション低くてどうする!もっと明るくしないと!
「夢咲さん!あそこのベンチでご飯食べよう!」
「ん?急にどうしたの?テンション高くなって」
「まぁ、いいからいいから!」
そう言い二人でベンチに座った
「いや?そのアイドルについてさっき考えてたんだ!」
「絶対嘘じゃん、あの顔とか歩き方は何かに疲れた顔だったよ?」
「それが違うんだよ夢咲さん!これ見て?」
僕はそう言いポケットからスマホを開きアイドルの熱愛ニュースの画像を出した。
「僕の推しのアイドルグルーsugar love《シュガーラブ》のメンバーの塩田渚ちゃんの熱愛報道がさっき出たんだよ〜!」
「えっこれ本当?嘘じゃないよね?」
「これが本当なんだよ〜!なんかニュースによると彼氏は渚ちゃんのプロデューサーなんだって。本当ショックだよ〜!」
「アイドルの熱愛ニュースってショック受けるよね〜!私も昔好きなアイドルの熱愛出た時は数日間凹んだなぁ〜」
「やっぱ夢咲さんもそういう経験あるんだ」
「そりゃあ産まれてからずっとアイドル推してるからね」
「そんなにアイドル好きなの?」
「すっごく大好き!アイドルはもう私の人生そのものだよ!」
「そんなに好きなんだったらなってみたらいいんじゃない?」
「私には無理だよ〜。あんな煌びやかな世界に私は似合わないよ」
「そんな事ないと思う。夢咲さんには凄く似合う世界だと思う」
「お世辞はいいよ〜」
「お世辞なんかじゃないよ、本当にそう思ってる。僕が夢咲さんの部屋に行った時に思ったんだ。アイドルが本当に大好きなんだなって。夢咲さんあの時小さく鼻声で歌ってたでしょ」
「え?あれバレてたの!?恥ずかしいんだけど、、、」
「今朝の登校の時もアイドルの話題の時は目がキラキラしてた。あの目はどの宝石やアイドル達よりも綺麗に光り輝いてた。今まで見た人やアイドルよりも群を抜いて美しく光ってた。僕はこんな人が虐げられてるのが理解できないんだ。こんな明るくて美しい瞳を持った人世界中どこ探しても居ないのにね。
僕授業中や移動の時ずっと考えてたんだ?
夢咲さんをいじめてた奴をどうにかしてギャフンと言わせてやりたいって。でも僕は勉強しか出来ない馬鹿だ。成績で夢咲さんが夕陽さんに勝った所でいじめが終わるわけない。
なんなら、もっと酷くなる気がする。
でもね僕は馬鹿なりにいい事を思いついたんだ?夕陽さんって確かアイドルを目指してるんでしょ?だったらこっちが先にアイドルとして売れればあの高いプライドもへし折れるんじゃないかなってさ」
「私にはそんなの無理だよ。もしそうして私が売れたとしてもいじめは更に酷くなるだけだよ?」
「いじめられない様な人になればいいんだよ」
「いじめられない様な人?」
「そう、夢咲さんが夕陽さんよりもビックな存在になればいいんだよ。そしたらあっちも自分の夢を叶える為に自分だけに集中する様になる。多分夕陽さんの性格的にこう言うだろうね」
『なんで私が夢咲より下なのよ!ムカつくムカつくムカつく!ってさ』
「ふふっ、確かに言いそう!」
「言わせてみたくなったでしょ?」
「確かに、ギャフンと言わせて見せたくなってきた」
「夢咲さんのアイドルが好きっていう感情はさ?多分いつの間にかに憧れに変わってたんじゃない?だから夢咲さんも夕陽さんみたいに同じダンス部に入ったんじゃない?」
「確かに、、、そうかも!」
「だったらその憧れを叶えてみようよ」
「でもそんなのどうやって、、、」
「僕が、夢咲さんをプロデュースする!」
「碧星君が?私を?」
「知識なんてもんはないけど自信だけはある!絶対夢咲さんならアイドルになれる!だからさ目指してみない?」
「私がアイドル、、、?」
「そう!夢咲さんがアイドルになるんだ!アイドルになって夕陽さんをギャフンと言わして見せようよ!」
「私に出来るのかな、、、?」
「夢咲さんだったら出来る。絶対に。だから目指してみない?アイドルの世界を」
「私を環奈から守ってくれる?一生支えてくれる?」
「絶対に守るし、ずっと支えるよ」
「碧星君が、そこまで言うならしょうがないなぁ〜。分かった、アイドル目指してみる!じゃあ今日から碧星君はプロデューサーさんだね!」
「プロデューサーとして、精一杯頑張るよ」
ここから僕らのストーリーが始まっていく。
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