思いの轍

真野魚尾

1~10

私が生まれた日

 誰にもわかってもらえない気持ち


 どこにも居場所がないつらさ


 私には周りを変えられる力なんてない


 自分自身を変えることさえできないのに


 私にできることは何もない


 その日 私は初めて死にたくなった




 悔しい


 そう思えるなら まだしがみつくべきだと思った


 ほかのことはどうでもいい


 どうすれば死にたくなくなるかだけを必死に考えて


 ひたすらに実行し続けた




 死にたくならない選択だけを取り続けた


 私を型にめたがる人たちから逃げ出して


 おためごかしな言葉から耳をそむけて


 死にたくならない生き方だけを続けて


 今でも私はどうにか生きている




 あの日 私は生まれた


 私の味方は 私ひとりしかいないと悟った


 ずっと支え続けてくれた私にありがとう


 これからもよろしくお願いします

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