第31話 再会
「俺の入ってるクランが紹介製でさ、しかもそれなりの強さが必要とか言う感じだからちょっと胡散臭い感じするけどごめんな。」
「いいや。全然いいよ。ちなみに名前はなんていうの?」
「『リバース・スター』……いやわかる。そんな顔すんなって。ダサいのはわかるぞ?」
結構ダサいな……
☆☆☆
「ほー。ここがアジト的な?」
「そうそう。じゃ、中に入るぞ。」
洋館のような外観をしたアジトに入っていく。
花畑などがこういった建物にはつきものだと思うが、外壁近くにそれなりの金属製の建物と土むき出しの範囲がある。
洋館の入り口の上には看板のようなものが立てかけてある。
反対向きになっていて読みづらいが、「the star」の文字、女性と大きな星の描かれた絵が大きく書かれた看板だ。
「これってタロットだよね?」
「そう。それが逆位置にあることで『リバース・スター』ってわけ。」
逆位置って悪いイメージしかないんだけど。大丈夫かこのクラン。
「お邪魔しまーす。」
「入団希望連れて「何のつもりだてめぇこの野郎!」ぐはっ!」
「っ!?空間圧縮!」
いきなり殴りかかられたぞ!?
とっさに取り出した杖を持ち直し、衝牙を構える。
「グロウィス?生きてる?」
「ああ?こいつの連れかよ。ならいい。脅かしちまってごめんな。」
そういって緑の特攻服を着た昔の不良然とした緑髪の女の人は去っていった。
「おーい。起きろー。」
「いや、スタン食らってる。」
「怖いな。何者なのあの人。」
「トゥインクルさん。クソが付くほど大雑把で血の気が多い。言わんでもわかると思うけど強い。」
「あれでトゥインクルってちょっと面白いね。」
「それ言ったら30回ぐらいぼこぼこにされるぞ。痛みは大したことないけど心が折れる。」
「まあいいや。どこに行けば入れるの?」
「推薦者いないとダメ。もう少し待って。」
それから数秒でグロウィスは回復し、僕たちは洋館の二階へと進む。
途中人とは会わずに来て、グロウィスは一つのドアの前で止まった。
「こんにちはトリコロールさん。グロウィスです。新しく入れたい人がいるんですけど……」
「いいぞ。少し待て。」
ほどなくして部屋の主、トリコロールさんが出てきた。
ジーナの店で初めて会った時と同じ格好をしている。
解真教の時はブレッドと一緒に居すぎてほぼ会えなかったけど。
「コルクラニア、この人がサブリーダーのトリコロールさん。プレイヤーランキング上位でこのクランの実質的な運営をしてる人だ。」
やっぱり強い人だったんだなトリコロールさん。
「久しぶりですね。トリコロールさん。」
「ああ、コルクラニア。前はもうちょっと覇気があったように見えるが……」
「こっちがデフォルトです。」
ジーナの店の時は知らない人すぎて好青年を演じてしまったが、今はしなくても大丈夫そうだ。
「なんだ。知り合いかよ。」
「こいつのことだ、説明は十分だろう。このクランに入る条件の『それなりの強さ』、確かめさせてもらおう。」
そう言って目の前の騎士は手に白銀の槍を出現させた。
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