第30話 王都グロリアス

怨嗟の墓地を抜け、王都にやってきた。


「コルクラニア、ようこそ王都へ!」

「さすがに街がでっかいね。っていうか、お城浮いてない?」

「そうだな。なんで浮いてるのかは知らん。」

「まあいいや。ついでにもうちょっと教えてもらってもいいかな?」

「おう!もともとそのつもりだったしな。」


南の門を抜けてすぐ左、ワープ用の施設と、


「その隣が南門前の兵士の詰め所。基本的な武器スキルは王都中の詰め所で教えてくれる。しかもタダで。」

「基本的ってどこまで?」

「むずいこと言うなよお前。剣、槍、杖、弓、盾……大鎌とかヌンチャクとか専用のジョブが必要なの以外は教えてくれるぞ。確か。」

「へ~。タダなのはいいね。」


南門から街の中心へ向かう大通りは人でにぎわい、たくさんの店が軒を連ねている。

ただ道幅がかなりあるので都会のラッシュ時ほど混んではいない。


「よいそ~。」

「んじゃどこかの店にでも入るか。アクセサリーショップがあるぜ。」

「野郎二人でアクセショップとか何考えてんの?」

「能力アップするのわかるだろお前。耳につけてるし。まあ行くぞ。」

「はーい。」


入れば落ち着きがありつつエレガントな店内だった。


「これメンズあんの?」

「あるある。ほらあそこ。」

「奥の奥の奥じゃん。それ以外は?」

「レディース。」

「レディースの店じゃん。」

「何ならあそこもユニセックスっぽい。」

「レディースの店じゃん。」

「耳は埋まってるしなー。指輪、首飾り、ベルトならここにあるぞ。」


見てみると結構いい能力がついているのばっかりだ。


「DEX、VIT、STR……すごい倍率だねこいつら。値段もすごいけど。」

「当たり前だろ。こんな一等地で店構えられるんだから。」

「指輪は剣握るから怖いな。まあネックレスかな。」

「ネックレスだとこれとかじゃね?」

「AGIこれ以上上がったら壁のしみになる。まあMP最大値かな。」

「最大値系は街の施設で充電しないと使えないぞ。アイテムじゃ無理。」

「マジかよ。お、こんなのあった。」


アメシストのネックレス

付与:ハイジャンプ


ハイジャンプ

パッシブスキル

ジャンプの最大高度が上がる。


「え?マジで言ってる?」

「マジもマジ。大マジだよ。」

「普通になんで?」

「だってやりたくない?高いところからキックするの。」

「まあやりたいけど……ほかのスキルでもできるぞ?」

「いや、なんかこいつがよさそうな気がする。」

「まあお前がいいならいいけどさ。」


店員さんに話しかけて、ネックレスを買う。

5万ガリンだった。他のは20万とかするので良心的……良心的か?

店から出て、グロウィスと話す。


「じゃあ俺らのギルドに案内するわ。」

「ギルド?」

「冒険者の集団みたいなやつ。パーティーより規模がでかくて便利機能がたくさんあるのよ。」

「ほ~。例えば?」

「いろんなものが解禁されんのよ。プレイヤーランキングとか掲示板とか。ゲームらしくなるんよ。」

「なんかレイドで駆り出されたり対抗戦に行かなかったら追放とかない?」

「ないない。てかほぼ俺は行かない。上の人たちは行ってるけどね。」

「へ~。それ僕入れるの?」

「ああ。じゃなきゃ声かけてないし。」

「じゃあ行きますか。」

「よし来た!こっちだ!」

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