第29話 怨嗟の墓地
ここ、怨嗟の墓地は、もともと魔王軍との戦争で戦った兵士たちの墓だったが、魔王軍のワイトとかいうモンスターによってアンデッドのはびこるエリアに変られてしまった歴史がある。
全部wiki情報だが。
王都のすぐ横にアンデット……とも思ったけど、感染症やらは戦争期の死体が骨になったもしくは無くなっているかでモンスターの大多数はスケルトンやゴーストだから心配ないらしい。
新しく死者が出ればゾンビになるが、それも自然に倒されるぐらいの量。
どちらにせよ気分的にはそこそこ嫌だと思うけど。
ここのボスは怨嗟の墓地を作り替えたワイト……の霊体、ワイトゴースト。
死んでるからこそ物理攻撃が無効、魔法をばかすか打ってきて下手に死んだら自分がゾンビ化するというクソボスらしい。取り巻きもそれなりにいるみたい。
ここは普通にただ歩いて通過するだけでいいだろう。
魔法を使って早くしてもいいが連続使用は思ったより疲れる。
普通の感覚じゃできないことをしているからかな。
薄暗い墓地を歩いて進む。
the西洋の墓地といった感じで、道の幅はかなり広くとられている。
ワイトゴーストは南、王都は北西にあるのでまあまず会わない。
少し遠くにはスケルトンに囲まれている鎧姿の男。
「お!瑞……コルクラニア!」
「あ、グロウィス。奇遇だね。」
「ちょっと待ってろ、おらっ!」
鎧姿の男は友達の慎司……もといグロウィス。
前方のスケルトンに体当たり、そのまま横の二体を切り殺し、こっちに来た。
「残しちまったけどいけんだろ。」
「待って。僕がやっていい?」
「マジで?助かるわ~。」
スケルトンとは初めて出会うしいろいろ試しておきたい。
欲を言えば今後のためにゴーストとも戦いたいんだけど……
「毒染め。」
残ってるスケルトンは3体。まず一番近い奴に毒染め状態の衝牙で切りつける。
斬りつけた腕が紫色に変色した。苦しんでいる様子はないがどんどんボロボロになり、スケルトンの腕は落ちてしまった。
「ほー。この毒って衰弱だけじゃないんだね。」
「なんかお前やばい武器もってない?」
「いまさら?ああ、これ受け取ったときグロウィスは帰ってたね。」
「そういうことか。」
次はこの剣の名前でありアイデンティティ。
「衝牙。」
衝撃波を撃つ準備をし、近づいていく。
剣を当てれば、スケルトンの体は粉々になった。
「それだけじゃないのかよ……」
「こんなの王都のプレイヤーみんな持ってるでしょ?」
「まあほぼみんな魔物素材だけど能力付きはほぼないぞ?特にスキルなんかは。」
「へー。ジーナに感謝しなきゃ。あ、そうそう。こんなの覚えたんだよね。」
今度は近づかず、剣を横に構える。
「飛空斬。」
三日月のエフェクトはスケルトンに当たると上半身と下半身をきれいに分断した。
「なんだそれ!?魔法か!?」
「いや?スキル。」
「はぁ!?あんなんどうやって出すんだよ!聞いたことねぇぞ飛ぶ斬撃のスキル!」
「そうなんだ。空間魔法で接続した空間を通して遠距離で斬撃を当てたら覚えれるんだけど。やってみる?」
「空間魔法か……結構高いんだよな。諦めるわ。」
「あ、僕が接続して当てればいいじゃん。次来たらやってみよ。」
「マジか!?ありがてぇ!」
そのあと、スケルトンに対して僕が空間接続をした状態でグロウィスが攻撃したらめでたく飛空斬を覚えられました。
あと途中でゴーストと戦った時、飛空斬はゴーストに当たった。
衝牙は剣自体がすり抜けて不発、毒染めその他剣・格闘スキルは効かず、バインドチェーンはすり抜けてソウルバインドはしっかり行動不能にできた。
ソウルバインドをした時には知らないスキルだったみたいでグロウィスが驚いてた。
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