第10話 突撃、悪徳商人の屋敷
次の日、無事にクエストを受注したグロウィスやスルメイカ含む他プレイヤー、兵士NPCと一緒にダインの屋敷の外まで来ていた。
「ダイン!貴様に詐欺の容疑がかけられている!詰所まで来てもらおうか!」
ちょっと偉い兵士が言う。
「ダイン様ならこの屋敷の奥だ。ま、通さねえがな。お前ら!敵襲だ!」
こんな街中でそんなことしていいのかな。悪評は免れないと思うけど。
「そこのピンク!死ねオラぁ!」
「お、あの時のチンピラ。あいさつ代わりのキーック!」
「ごはっ!」
「また食らうのかよ。あそうだ。これ返しとくね。」
「まっ、もがっ「はいドーン。」ぐはぁぁっつ!」
「……お前、学校でそんなことすんなよ?」
「もちろん。ゲームだからできてることだよ。」
あの時のチンピラを同じように蹴りつけ、貰っていたドッグタグを口の中に押し込んだ後回し蹴りで吹っ飛ばした。
「あそこまでだとかわいそうだね。」
「お前がやったんだろうがよ。」
奥からもぞろぞろとチンピラが出てくる。
スキルを多用しながらなぎ倒していく。
完全に敵対してるとはいえ殺すのは趣味じゃないのでできる限り殺さないように。
「回転切り!」
残り4人。
「パリィ!」
残り3人。
「切り返し!兜割り!」
残り2人。
「受け流し。」
普通に切って残り……いない?
ヒュン
「空間、圧縮!」
間一髪のところで避けることができた!
「バインドチェーン!」
何かが結構な量なくなったのを感じた後、白銀に輝く鎖がまっすぐ飛んでいく。
処刑人のデメリットのAGIダウンも室内だったらそこまで響いてこない。
「シールドバッシュ!」
グロウィスの盾による攻撃で最後の一人も無事に倒せた。
「他は庭にいる!今のうちに本人のところに行こうぜ!」
「わかった!」
すぐにもそれらしき部屋は見つかり、装飾がこれでもかとつけられた扉に執務室と書いてあった。
「いくよ。せーのっ!」
バンッと勢いよく扉を開けた僕たちだったが、執務室には誰もいなかった。
カーテンが窓から入る風で揺れ、窓からは……
「ロープだ!多分だけど外にもう逃げてる!」
「まじかよ!俺ら足遅いんだぞ!」
「でも追うしかないよ!」
「そうだな、いくぞ!」
狭い室内ではAGIは低くても大丈夫。ただ追跡には絶対にAGIが必要だ。
「見つけた!けど結構遠いな!」
「コルクラニア、弓貸してやるから後ろからあいつを撃ってくれ。俺は装備軽いのにして追いかける。」
「わかった。精一杯足止めさせてもらう。」
「頼んだぞ!」
グロウィスは道を通って、僕は屋根を魔法を駆使しつつ飛び移り、追いかける。
MP回復アイテムは高かったけど消費の多い空間魔法には必須。
空間圧縮でかなり距離が縮まったので、ダインと思わしき品のない服の太った男を弓で撃ち抜く。
足に刺さったみたいだ!
うずくまるダイン。
ちょうどグロウィスも追いついた。
「ダイン!おとなしくしてもらおうか!」
「よっと。もうここまで来たら逃げられないよ。」
苦虫を噛み潰したような顔をするダイン。
「ぐうぅぅ……くそっ。やるしかないのか……」
そう言い、懐からダインは目玉がつながったような気色悪い輪っかを取り出した。
「教祖様、ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
「空間、うわっ!」
「なんだこれ!」
『進行中のクエスト目標が変更されます。新しい目標はレイドボス、ダイン融合体の討伐です。』
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