第6話 チンピラに飛び蹴り
クエストの説明に目標の欄があったが、そこには告発と殺害の2通りの解決方法があることが書かれていた。
いくらはっちゃけるとはいっても殺しはよくない。
もし殺害ルートに入ったら絶対に悪評やらでろくなことにならない気しかしない。
ジーナとの関係も良くはならないだろうし。
ちなみに特に敵対前のNPCを殺した場合、特殊クエストをこなさない限り永続のデバフと外でエンカウントするエネミーの著しい強化が起こる。
検証した阿保がいることにびっくりだが具体的にはゴブリンが瞬間移動するレベルになったらしい。無罪の人とパーティを組むと軽減されるらしいが、NPCを殺害した者には赤黒いエフェクトがついているのでパーティも組みづらくなる。
プレイヤーの殺害は青黒いエフェクトが付き、NPCほどではないがエネミーの強化、他プレイヤーからキルされたときにインベントリ内のものを全てドロップするという感じになっている。
エフェクト付きをキルしてもエフェクトが付くことはなく、それを専門にしている集団やPVP用の殺害エフェクトがつかなくなるフィールドなどもある。
敵対関係になるのでエフェクトはつかないものの何かしらよくないことがあると思うので今回は告発ルートで行こう。
「ダインねぇ。あんまし良い噂は聞かねぇなぁ。知り合いにはこの街追い出されてるし、懲らしめてくれるんならありがてぇが、用心棒がかなりの数いるぞ?」
「話がうまくいけば兵士さんも来てくれるからそこらへんは大丈夫だよ。色々聞いちゃってごめんね。武器に使える素材ある?」
「おうよ。インパクトボアの牙だ。遠い分産地よりは少し高いが素材自体のランクは高くないからそこそこで済むぞ。7000ガリンだ。」
「あー、なんかいろいろ買い取ってくれる場所知ってる?」
「でかめの商会だな。まっすぐ行って噴水広場の近くだ。みりゃわかる。」
「ありがとう!じゃ行ってくる!」
まっすぐ走っていけば噴水広場に近づくが、途中の路地裏で、
「おいてめぇ!いつになったら金返すんだよ!」
「あ、あんな利息払えるわけないじゃないですか!」
「うるせぇなあ!さっさと返せよ!」
異世界のチンピラといった格好のチンピラ男が壁を殴りつけるとおびえた様子の小太り商人は更に縮こまった。
「キーック!」
チンピラに飛び蹴りをかます。
「ごはっ!てめぇな「うるさい!急所突き!」がひゅっ!」
「ほら逃げるよっとその前に。お前所属を示すもの持ってる?持ってるよね、服開けんね。ほらあったドッグタグ。貰ってくよ~。」
チンピラからもらったドッグタグは男の名前情報その他、裏には紋章。
「てめぇ!それ返せ!」
「やだね。それもう一回キーック!」
「ごはっ!」
「リアクションも同じとか芸がないねぇ。吹っ飛んだだけましかな?さよなら~。」
「ま、まて……うぐっ。」
『スキル:飛び蹴りを習得しました。』
飛び蹴り
アクティブスキル
高所からの蹴りにダメージ補正、ノックバック付与。
ラッキー新スキル!
「ところで商人さん。何があったの?」
「金貸しに融資してもらったんですが、説明の際は一般的な金利だったのに、返す時にとんでもない利息を要求されたんです!」
「何割ぐらい?」
「計算して10日で5割です。」
とてつもないな…
「契約書とかちゃんと確認した?」
「はい。ただサインを偽装されたみたいで…追及しても殴られるんです…」
「あらら。とりあえず商会行っていい?」
「ど、どこのですか?」
「噴水広場前。」
「あああそこなら安心だ。国中に支店があるので信頼がおけるんです。」
ちょうどいいや。そこでこの紋章について聞こう。
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