第2話 選択的無職
第一エネミーから一時間半ほど。
剣スキルでは兜割りのほかに回転切り、パリィ、受け流しのスキル、格闘スキルでは急所突き、スウェイを習得した。
現在のステータスはこんな感じ。身の守りが紙以下だがパリィと受け流しで何とかなるし防具で厚紙ぐらいにはなっている。
コルクラニア Lv.11
job:
HP 110
MP 70
ST 100
STR 15
VIT 1
DEX 11
AGI 15
INT 13
LUC 10
武器スキル:剣
・兜割り
・回転切り
・パリィ
・受け流し
武器スキル:格闘
・急所突き
・スウェイ
魔法:空間
魔法は何をしても出なかった。
手を前に突き出して自分でそれっぽい詠唱をしてみたが何も起こらなかった時には虚しさというかなんというかみじめ?だった。
風や虫まで再現された仮想の森をエーデラントに向かって進む。
ドロップアイテムはぼろ布が大量に、それとたまにいる武器もちゴブリンの錆びたナイフ。インベントリで確認できるアイテム名もそれぞれそのままで「ぼろ布」と「錆びたナイフ」。
街に行ったら売れる場所があるかな。ナイフは鍛冶屋で見てもらったり修理もできたりするんかもしれない。だけどこの錆びと刃こぼれだときれいにしても投げつけたら折れそうだ。
☆☆☆
エーデラントに入った。
町並みはイタリアだかギリシャだかに似ている。
だが上水道下水道が整備されているようだ。僕たちプレイヤーは尿意等はないがNPCが使うらしい。狂ってるほどの再現度合いだ…
街の門から入ってすぐ、露店がずらりと並ぶ大通りに来た。
食べ物の屋台、道具やら武器防具、あれは…ドロップアイテムかな?
ドロップアイテムを売っている商人に話しかける。
「すみません。こいつら買い取ってもらうことってできますか?」
「うぇえ?ずいぶんと多いな。こんだけあったら300ガリンだな。」
300ガリン…大体300円か。
「ちょっと安くない?30個以上あるけど?」
「需要がこいつにはまるでなくてな。できて子供の工作用だ。」
「じゃあこいつは?」
三本ほどの錆びたナイフを見せる。
「あぁこいつは…お前が持ってたほうがいい。見たところ旅人だろ?ならそれが活きるだろ。どうしてっていうなら一本500ガリン。」
「5本頼むよ。」
「これも多いのかよ…すごいな兄ちゃん。ほらよ。」
合わせて2800ガリン。時給1500越え。
「ついでに聞きたいんだけど、ジョブにつけるような場所知ってる?」
「教会でジョブに就けるが、一定の条件がある。条件はその職業に就いている人に聞くしかないなぁ。俺の場合一定量と一定金額の商品を売ることで商人になれたから、戦闘系ならゴブリンを倒しまくったお前ならもう達成してるだろ。」
「ありがとうおっさん。今度は客としてくるよ。」
「おう。頑張れよ。」
早速教会に向かい、シスターにジョブ変更をお願いする。
言われたとおりに女神像の前で祈っていると、目の前にウィンドウが現れた。
変更可能なジョブ
・戦士 STR↑中 VIT↑小 AGI↓小
・剣士 STR↑小 DEX↑小 AGI↑小
・格闘家 STR↑中 AGI↑小 VIT↓小
・魔法使い MP↑小 INT↑中 VIT↓小
・処刑人 STR↑中 DEX↑中 AGI↓中
一つだけ物騒なのがあるが、AGIが下がるのが痛すぎるが、見たところ特殊職もしくは上位職だろうか。
どのジョブもピンとこない。
ここは保留でいいか。スキルとかも関係してるだろうし、もうちょっと強い敵と戦ってみて、太刀打ちできなくなったときに就こう。
「どの職に就かれましたか?」
「いえ、どれもいまいちだったもので…」
「そうですか。機会はあるのでいつでもまた来てくださいね。」
教会を後にした僕は宿屋に入りセーブ、そのままログアウトする。
とりあえず無職のままあの世界で生活しようと思う。
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