第19話:進化&外に出る
俺は目を覚ますと同時に違和感を覚えた。そう、俺の手が見た事あるような手をしているのだ。
それは生前、前世の時の姿に似ている。
いや、本人だ!!黒い髪の毛に青い目紛れもなく俺自身だ。でも、何故だ、今まで人になれなかったのに。
てっきり人の姿は諦めていたが──。
【進化とは・・・生物の“格“そのものが上がります。
また、生物の存在が質的に高まることを指します。これは、単に肉体的な強さだけでなく、精神的・エネルギー的な成長や知識の拡大も含まれます。この進化によって、生物はより高次の存在へと変化し、新たな能力や知覚を得ることができるのです。】
つまり俺の中の潜在意識には「人になりたい」という強い願望が存在していた。
進化の瞬間、この潜在意識の願望が表出し、進化によって人間の姿を手に入れることができたらしい。
これは、単なる生物的な進化を超え、意識と進化が融合する特別な現象であり、俺の本質的な願望が進化の結果として具現化されたことを意味するのだ。
だから俺は進化した際人の姿になれた。
ただ進化した際望む姿になれるのは、“強い意志“が必要不可欠らしく。
「なりたいなぁ・・・」程度じゃなれるほど簡単なものでは無いという事だ。
俺の場合は記憶細胞に前世の姿が記憶されていたから、それを忠実に再現しただけ。
まぁ、運が良かったって訳だ。
ちなみに元のドロドロの姿になる事も可能だし、擬態能力も失ってない。
まぁ、その辺は置いといて、
スキルがユニークスキルに進化している。固有スキルが進化し新たなスキルを獲得したらしいのだ。
俺はスキルの使用をして見る、まずやはり
ユニークスキルには様々な“型“があるらしく。
悪魔、天使、精霊、武器や本当に沢山の種類がある。そして俺の神将型は神の名前を象る“型“らしい。
『雷帝・・・高火力の雷を放つ事が可能】 』
『炎帝・・・高火力の炎を放つ事が可能』
そして二つ目は『
これはニセガミが使っていた物と同様俺のエネルギーを使い肉体を生成する。白色一色の肉体が生成された。姿、形は俺が自由自在にする事が出来る。
更にこれを応用して分身としても活用する事が可能だ。めちゃくちゃ便利だろこれ!
しかもこの肉体に因子を組み込めさせればその生物を作る事が出来る。
例えば
三つ目は『イメージ補佐』これは魔法を使用する際に
使う事が可能だ、曖昧なイメージを補佐する事で魔法の性能を上げることが出来る、ニセガミの魔法技術が異様に高い理由はここにありそうだ。
けれど俺は魔法を使えないんだよな、魔力も持ってないし。
【個体名:ニセガミから魔力のエネルギーを抽出しました。その結果魔力を獲得しました】
おいおい!まじか!流石俺の
早速俺は魔法を使ってみる。炎の球をイメージするすると『イメージ補佐』の権能が機能したのかあやふやなものが明確になっていく。ただ魔法制御が難しく演算処理スキルが高い人じゃないと難しそうだな。
少なくとも直観的な俺では無理だ。
次は『王霊覇気』だ、これはまさに威圧の上位互換だ。ただそれだけ。
そして『
『
その分強力なのは間違いないけど、これ間違いなく俺よりAIさんが管理した方がいいよね?まぁAIさんも使えるのは思うけど。
俺の為に攻撃手段を残してくれたのかな?と、都合よく解釈する事にした。
AIさんも色々進化しているようでまずは『並列演算』だ。一度に複数の事を並列処理する事が可能。最大で三つまで。
つまり俺の防御係、攻撃係、情報係として役割分担出来るのだ。
ちなみにAIさんによると声も変えることが可能らしい。一度『ラブ キュアーズ』の正ヒロインの声を再現してもらったがやめといた。だって──。
【キュアキュアプリンス!リオンキュン頑張って!】
と、正ヒロインの声でやられると気が落ち着かないし。戦闘中絶対惚けしまう。いや、ないと思うけど。とにかく精神的に色々不味いので普通の声に戻してもらった。あんなの集中出来やしない。
それに無機質な声の方が俺もやりやすい。
正直、俺負けないと思う。もうなんでも出来るし。
まぁでも慢心は良くない、ニセガミのように相手を侮って負ける可能性があるし。
常に警戒は怠らずになってっな!アニメや漫画も基本的に悪役がイキって負ける事が多いからな。
俺はそんな事を考えながら外に出た、暖かい!太陽光が俺を包み込むお天道様!ありがとう!何日ぶりかの外だ!やはり陽の光は暖か──って太陽見えないんだけど!しかも外は冬か?森や地面に雪が積もっている。太陽光なんて微かにしか見えない。
しかし人は見当たらないと思ったが─
「てめぇ!俺の領域に足踏み入れるな!」
その瞬間現れたのは黒鬼だ。黒鬼は堂々と飛び降りた。
「俺の名前はダクネス・フォールン!世界最強の鬼だ!」
ダクネスと名乗った子供は、俺の前に剣を向けた。
と、言うか子供だよな。なんでこんな所に。
とりあえず言い訳しといた方がいいよな。初めての知的生物との会話だ。慎重に行こう。
「えーと、俺は転生者──」
「うるせぇ!てめぇが喋れる言葉は『すみません』だけだ、それが出来ない時点で死ね!」
なかなかの暴論だ、ダクネスは俺に向かって剣を振り下ろした、その一撃は勿論俺の
「貴様!巧妙な手を!」
ダクネスは立て続けに攻撃をするが全て泡に消える。
「話しを聞く気になったか?」
俺は必死に剣を振り下ろすダクネスを見ながら発言する。言葉が届いたのかダクネスは剣を一度鞘に戻した。
「ふん、いいぜ聞いてやるよ、話せ」
どこまでも上から目線だなこいつ、まぁ気にしても仕方ない明日は子供だ。こんな所でイライラしては先が持たない。
俺は事の経緯を話した、転生した事や洞窟から出た事を。
「なるほどな、転生者で。洞窟・・・ってお前まさか始まりの洞窟からか!?」
「え、た、多分」
俺がいた洞窟は始まりの洞窟って言うのか。
「まじか、あの洞窟に居たのか。よく生きてこれたな。あそこにはめちゃくちゃ強い迷宮主がいんのによ」
ニセガミの事だろうな。確かにあいつは強かった。もう戦いたくないね。
「倒したよ、そいつは」
「はぁ??嘘ついてんじゃねーよ」
「いや、ガチだ・・・」
流石にムカついたので俺は『王霊覇気』を使用した。対象を威圧する力、殺すつもりは無い少し脅しを込めて発動した。ちょっと脅かす程度と使って見たかった欲求が合わさったのだ。
効果は思った以上らしく、ダクネスは狼狽えている。
「な、なんだその力は──」
後ろに下がるダクネス、どうやら圧倒されたようだった、顔色には若干の恐怖が浮かんでいる。
「もう、通っていいか」
ダクネスは答えない、どうやら余程効いたらしい。
まぁ無視していいっしょ。俺は素通りした。
森をひたすらに歩く、魔物の気配が微塵も感じない。
どうやら『王霊覇気』の効果のせいで魔物達がビビって離れてしまったらしい。
まぁ戦闘避けれるし余計な手間は無くなったな。
しかしさっきからダクネスの奴後ろにいるような。
「ダクネス、お前なにしてんの」
「ば、バレてしまいやしたか兄貴」
あ、兄貴?なんか呼び名も変わっているが。
「いや、俺リオンなんだけど」
「まぁまぁそう言わずに兄貴、これからどこいくんやすか」
と、ゴマをすりすりと。ダクネス完全に『王霊覇気』でビビったようだ。
「・・・まぁ人にふれあいたいな」
ダクネスはどうやらエネルギーの波長から鬼族らしいので人ではない。自分でも言ってたように。
村や街に出たらいいのだが。
「この辺に人はいませんよ」
「え?」
ダクネスの発言に俺は耳を疑った。そしてダクネスは詳細を話してくれた。
なんでもここには
しかし
生まれた時点で顔面偏差値勝ち組の
「兄貴、自惚れてる所悪いですが。ここ最近嫌な気配を感じますぜ」
イカンイカン顔に出ていたか。
俺は気を引き締めてダクネスの言葉に返した。
「嫌な気配?」
「はい、普通じゃないって言うか。変な魔物も現れるんですよ。とにかく気をつけた方がいいぜ」
変な魔物ね・・・俺も変な魔物にあったけどなニセガミって奴に、まぁあいつは魔物か分からないけど。変ではあった。うん。
外にいたダクネスが言うんだから警戒して損は無いだろう。
「それと1つ何かに見られてますぜ」
「あぁ、それは俺もだ」
先程から感じる視線・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます