第9話:雷の怪獣

 エネルギー回復が完了した、その間ニセガミは何もして来なかった。不気味に感じるが俺にはちょうど良かった。

 早速俺は毒吐ポインズ・ブレスを使用する、ブレスと言うのに掌から放たれるが、気にしたら負けだろう。

 威力は抜群そもそも“毒“が強いんだよな。耐性が無い限り毒を防ぐ事は出来ない。

“毒“は持続的な効果であり大気を汚染しその場に留まる。それだけ相手の行動を制限出来るだからどれだけ有用性があるのか分かる。

 ちなみに俺は毒の情報を体内に張り巡らせて

【毒耐性を獲得しました】

 こんな風に毒耐性を獲得した、俺が使う毒は巨大大蛇ジャイアント・スネークとは毒の性質が違うらしいのだ。まぁニセガミがなんか小細工したからだと思うけど。ともかく俺が放つ毒はなんも影響は無い。

 そして早速擬態を使ってみるとでかい・・・とにかくでかい・・・まじで見る者みんな小さく見える。

 てか、デカすぎて使い所考えないといけないのがデメリットだ。

  正直こいつは使わないと思う、使い所無いし。

 擬態する時はエネルギー消費もするので勿体ない。

 さて、新たなスキルと新たな擬態を獲得したので俺は次の場所に行く。


 何も無い洞窟を歩いていると、次の盤面エリアに辿り着いた。


 俺の眼前に移るのは雷を纏った獣だった。

 四足歩行、鋭利な牙、赤い眼、4mはある大きさ。

 めちゃくちゃ怖い・・・


【種族:雷獣

 上位魔物:雷の怪獣ケラノウス

 特徴:雷獣の中でも特に強大な力を持つ上位魔物であり、雷を操る圧倒的な存在として知られている。彼の名は、古代から「天を裂く雷鳴」として畏れられてきた。】

 AIさんの解説が入る、更に言うと雷の怪獣ケラノウスは常に電気のオーラを纏っているために波の人は近付けない程の電圧らしい。俺はそんなもの効かないが。 

  雷の怪獣ケラノウスは低く唸り、地面を踏み鳴らす。 洞窟の空気が張り詰め、緊迫感が漂う中、俺は炎熱プロメテウスの力を発揮する準備を整えた。AIが、戦場の状況を把握するための分析を開始する。雷の怪獣ケラノウスは、雷電を纏った体で、周囲の空気を震わせながら歩み寄ってくる。

 俺は冷静に構え、炎熱プロメテウスの力を手に取る。雷の怪獣ケラノウスの体から放たれた雷が地面を伝い、一気に俺に襲いかかる。

 雷のエネルギーは凄まじく、計測された数値はその威力を物語っている。即死に至るかもしれないその攻撃を、俺は瞬時に察知した。

【雷のエネルギーは1000kWh・・・3600000000ジュールです。防御結界プロテクションにより、このエネルギーに対して防御可能です。結界の強度は適正範囲内ですので、攻撃を耐える準備が整っています。】

 AIの予測通り、雷の怪獣ケラノウスが放った雷を防御結界プロテクションで防ぐ。

 しかし雷の二倍というそのエネルギーは、まさに死を意味する。だが、逃げる暇はない。俺はただ、目の前に迫る災厄を打破する手段を模索するしかなかった。


炎熱プロメテウス!!」

 炎熱プロメテウスの炎を放つことで、雷の攻撃を相殺しようと試みる。

 その熱い炎が空気を震わせ、雷のエネルギーと激しくぶつかり合う。炎が雷の放つエネルギーに対抗し、二つの力が空中で戦っているかのようだ。

 炎が雷の進行を妨げるものの、雷の力は強大で、炎だけでは完全には防ぎきれない。

 周囲に広がる火花と轟音が、洞窟内に響き渡り、体中が圧力に押しつぶされるような感覚に襲われる。

 近付くことは出来ないな、どうするか。

 多分、あいつもニセガミに何か力を貰っているから攻撃は食らってやれない。炎の化身プロメテウスの件で痛い目見たからな。俺は学習出来る男なのだよ。


 雷の怪獣ケラノウスの雷の攻撃が洞窟内を駆け巡る。俺はAIの指示に従い、素早く回避行動を取りながら、雷の一撃をかろうじて避ける。


 お互いまだ無傷だ、かなり高度な戦闘が繰り広げられている。

 AIの冷静な指示が脳内に流れ込む。動的な攻撃パターンを分析し、最も危険なポイントを避けるための行動を指示する。

 しかし、分析はあくまで予測であり、完全に安全を保証するものではない。

 予期しない動きや急な変化に備えながら、俺は全身全霊で雷の怪獣ケラノウスの攻撃を交わしていく。

 更に合間を縫って炎熱プロメテウスを放つ。


「がァァァァ!」

 痺れを切らしたのか雷の怪獣ケラノウスは雷を一点に集める。


 雷の怪獣ケラノウスの雷が洞窟内で閃光を放つ。高エネルギー反応が脳内に流れ込む。俺の全身がその瞬間を警戒し、AIの警告が脳内で鳴り響く。


【高エネルギー反応を感知。防御結界プロテクションでは防ぎきれません。即座に回避行動を優先しください】

 まじかよ、あれ当たれば死ぬな。その警告が脳内に刻まれ、俺の身体は反射的に動き出す。

 雷の発射位置を瞬時に計算し、身を屈めると同時に素早く回避行動を取る。

 雷が放たれる瞬間、その閃光と轟音が洞窟内を駆け抜け、地面に激しい衝撃を与える。


「ぐぅぅ!」

 雷が通過した直後、背後に強烈な熱波を感じながらも、なんとか回避に成功。

 雷の攻撃が激しく襲いかかる中、俺は天下五剣の開闢を握りしめながら、AIの指示に従って素早く動く。


【攻撃が接近中です・・・右に飛んでください。迅速に回避行動を取って、安全を確保してください。】


「了解!」

 雷の衝撃が近づく中、俺は瞬時に右へ飛び跳ねる。強烈な雷が地面を焦がし、後ろの岩が崩れ落ちるが、俺はすんでのところで回避成功。


【広範囲攻撃が迫っています・・・上に飛んでください。垂直方向への回避が最も安全です、急いで行動してください。】

 次にAIからの指示が入る。広範囲にわたる雷の攻撃が待ち構えていることを察知し、大きくジャンプして空中に浮かぶ。瞬間的に空気が熱くなり、雷が洞窟の岩肌を裂いていく。

 その爆発的な衝撃が俺を襲うが、空中にいるため無事に回避。

 雷の怪獣ケラノウスの全身が激しく震える。雷のエネルギーが暴走し、洞窟内に雷光が走るが、俺は引き抜き、素早く後退する。


設定魔法術システム・マジック!!無片鱗墜激アサルト

 無片鱗墜激アサルト超濃度火力エンバーズと違う。超濃度火力エンバーズがエネルギーを一気に放出する。

 その反面無片鱗墜激アサルトは無数の球を放出する攻撃だ。無数のエネルギーの球は雷の化身ケラノウスを襲う。

 叫び声が洞窟に響き渡る。


毒吐ポインズ・ブレス

 そして更に追い打ちをかける。だがそれでも奴は倒れない。


 俺は最終的に炎の化身プロメテウスに擬態し奴に纏わりついた。電気が走る、痛い。それでも俺は雷の怪獣ケラノウスを焼き付けしたのだ。

 雷の怪獣ケラノウスはそのまま崩れ落ち、雷のエネルギーが散り散りになりながら静まっていく。洞窟内に広がる煙と埃の中、俺はしばらくその場に立ち尽くす。


「やったか・・・?」

 心臓の鼓動が激しく、全身に疲労感が広がる。洞窟内が再び静寂に包まれ、戦いの余韻が残る。




 個体名:リオン


 種族:設定怪物システム・モンスター


 ユニークスキル:異能型AI


 固有スキル:炎熱プロメテウス雷撃ケラノウス


 スキル:毒吐ポインズ・ブレス・威圧・結界


 獲得因子・擬態:炎の化身プロメテウス雷の怪獣ケラノウス巨大大蛇ジャイアント・スネーク・魔狼


耐性:熱無効・毒耐性

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