第8話:進歩

 炎の化身プロメテウスは炎の球体を放つと場所ステージを炎に包み込んだ、熱気が立ち上る。


 終わった・・・と思われたが──。

【防御プログラムを作動しました】

 俺の周囲に結界が浮かんでいた。その結界が攻撃を防いでくれたようだ。耐久値が100/95になっている。たったの5しか減らなかったのか。

 つーかそう言う機能あったの?

【スキル結界を元に防御プログラムを生成しました】

 結界って確かあの馬鹿でかい石像が持っていたやつか。

 それを応用を生成したのか。すげぇなおい。

 と、言うかこれがあるなら避ける必要無いなと思ったが。

 耐久値みたいなものがあったから頼り過ぎるのは良くないな。


【対象のエネルギーを無効化に成功しました】

 どうやら攻撃プログラムを完成させる前にエネルギーの無効化にしたらしい。

 そして今から攻撃プログラムを開始させる。

 こういう時並列演算があれば一度に複数の事が同時進行出来たのにな、と思ったり思わなかったり。


 まぁともかくこれで俺は奴の攻撃を受ける必要が無くなったのだ。俺防御結界プロテクションを解除した。

 案の定奴の攻撃を食らっても痛くも痒くも無い。

 炎の化身プロメテウスは炎の槍、炎の矢と言った様々な攻撃手段に転じるがどれも無意味、焼け石に水だ。


 そこで俺はひとつ試したくなった、俺の身体は俺が思うよう変わる。

 つまり右手を意図的に伸ばして炎の化身プロメテウスに巻き付けることも可能だ。

 俺は奴の身体に自分の腕を巻き付けた。

 ちなみにどうやって奴に触れたかって?奴のエネルギーと俺のエネルギーの周波数や波動を一致させたのだ。

 炎の化身プロメテウスは焼き払おうと全身に炎を噴出させるが無駄だ。何故なら俺は無効化に成功しているからだ。そうして左手でも奴を束縛する。


【攻撃プログラムを開始します・・・


 システムを起動中・・・

 データの解析を実行・・・

 目標を特定・・・

 攻撃モードを起動・・・

 ロックオン完了・・・

 攻撃準備が整いました。

 実行します・・・】


設定魔法術システム・マジック:水聖超濃度火力エンバーズ

 その瞬間大量の水が炎の化身プロメテウスに放たれる。俺のエネルギーを水に変換させ100L以上の水を浴びた炎の化身プロメテウスは力が無くなったように倒れ込んだ。

 流石に死んではない。


【対象の核を潰してください】

 精霊のには必ず“核“があるらしい。それを壊せば精霊は死ぬ。

【熱無効を獲得しました・固有スキル:炎熱プロメテウスを獲得しました・擬態:炎の化身プロメテウス獲得しました】

 早速俺は『炎熱プロメテウス』を使用する。この能力は単純だ炎を出す事が出来る。

 ようやく異世界ぽいスキル来た!!


【ぱちぱち!炎の化身プロメテウスを倒すとは!やるねぇ!君にはもっと強くなって貰わないと!そうすれば“食べるかい“があるからな!、じゃ扉開けたからササッと次に進んで】

 と、言うニセガミ。その言葉に合わせるようにガラガラと扉が開く。

 生意気だな、あいつ。せっかく異世界ぽいスキル獲得して喜んでいたのに興ざめだった。

 ただあいつは勘違いしている、そう食う側だと。

 俺が食う側であいつが食われる側なんだよ!


 俺はそう意気込み足を歩む。


 俺は早速炎の化身プロメテウスに変身した。

 大きさは変わらない、外見も同じだ。

 しかもこの状態だと炎を操ることが出来る、ふぅ〜と息を吐くと炎を吹き出すことが出来たり身体を変えたりと。

 しかし魔狼と違ってエネルギーが安定しないので擬態するのも大変だ。

 と、いうことで俺は解除して元の姿に戻った。

 ふぅ〜やはりこの姿が一番落ち着くぜ。


 ひとしきり歩いていると──。


【警告♢強大なエネルギーを感知しました・・・巨大大蛇ジャイアント・スネークであると推測されます。直ちに対応を準備し、回避や防御手段を優先してください。】

 おいおい、めちゃくちゃでかいな。象のよりも大きいぞ。ジャイアントなだけあるな。しかし“巨大“

 “大蛇“って頭痛が痛い名前だな、ネーミング考える直せよ。

 運がいいのか蛇は寝ている。起こさないで行きたいんだけど・・・

 しかし出口はちょうど蛇に塞がれている、なんといった不運だ。

 出来れば一撃で仕留める。俺は炎熱プロメテウスを放つ、炎の海が巨大大蛇ジャイアント・スネークを包み込む。やはり体格が大きいからなのか

 巨大大蛇ジャイアント・スネークは叫びながら起き上がる。最悪だよ全く。設定魔法術システム・マジックで倒せばよかった。炎熱プロメテウスを使いたい欲に負けた。欲求は身を滅ぼす、改めて学んだ。


【警告♢異常状態攻撃を察知しました。直ちに避けてください。回避行動を優先し、安全を確保してください。】

 その直後、巨大大蛇ジャイアント・スネークが口からどんよりした煙放つ、毒ガスだろうな。

 当たれば不味いので、俺は当たらない範囲まで逃げる。しかもこいつも特殊な毒ガスを使っている。

 その効果はエネルギーを汚染する毒だ。エネルギー体の俺が致命的な弱点であるものだ。

 どうせニセガミの奴が細工したんだろうけど、あの野郎絶対殺す。


【対象の弱点は頭部です。攻撃する際は頭部を狙い、最大のダメージを与えるように行動してください。】

 と言ってもあそこまで届くか?


【可能です。最短距離を計算中・・・結果を反映し、迅速に移動してください。最適なルートを表示します。】

 おぉ!頼もしい!俺は言われた通りに道に進む。

 巨大大蛇ジャイアント・スネークは身体をくねくねさせて俺に突撃しようとする。更に攻撃プログラムを完了したらしいので『設定魔法術システム・マジック』・超濃度火力エンバーズを放射可能だ。


「当たらん!」

 俺は巨大大蛇ジャイアント・スネークの身体をつたり、そのまま頭上まで掛け上る。


 巨大大蛇ジャイアント・スネークは俺を振り払うために、身体を暴れさせるが、問題は無い。

 高くジャンプするとちょうど脳天目掛けて──。


設定魔法術システム・マジック超濃度火力エンバーズ!!」


 を、放つと、そのまま巨大大蛇ジャイアント・スネークは倒れる。じゅーと言う音がする。首だけが無くなり身体がドスンと落ちた。


巨大大蛇ジャイアント・スネークの情報を獲得しました──スキル毒吐ポインズ・ブレスを獲得しました。 また、擬態可能になりました】

 AIが対象の情報を分解し解析そしてスキルを獲得した──。


♢♢♢

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